IDEN Lab

Observation, Experiments, Discoveries....

Welcome to Genetics Lab!



東京大学大学院薬学系研究科遺伝学教室へようこそ!!



2024年、新年の標語は

「分節」


となりました。

詳しい内容はThemeに記載されております。

三浦先生の26回目の標語。「言葉」に尽くせぬ「コトバ」を感じます。2024.01.14


はじめに


わたしたちヒトを含む多細胞生物のからだの構成因子である細胞は、日々、たくさんの数が生まれるだけでなく死んでいきます。これらの細胞死の多くは、単なる偶然や不測の事態による事故死ではなく、遺伝子産物を介して制御される、遺伝子にプログラムされた細胞死であることがわかってきました。胚発生や成長老化期では、さまざまな要因によりアポトーシスの実行因子であるカスパーゼを含む細胞死遺伝子が活性化され、多様な生理機能を果たすことが明らかになってきました。しかし、いまだ細胞死の意義やその制御機構には多くの謎が残されています。例えば3000億もの血液細胞が毎日失われているとされ、体全体では毎日1%もの細胞が失われるにもかかわらず、私たちの体では過不足なく失われた細胞を作りだす数の調節(定足数制御)を行っています。何が細胞死を誘導し、生体はどうやって細胞数の変化を知って数の恒常性を保つのでしょうか。これまでの研究から、発生や組織再生においても多くの細胞死が実行され、それに生体が応答するという組織連関を巧みに使って生体が恒常性を保つ姿が見えてきました。そして、細胞死研究の過程から、アポトーシス実行の仕組みが、非アポトーシスの生体機能を持ち組織サイズの制御や発生の頑強性を担うことが明らかになりました。私たちの研究室では細胞死機構の新たな役割を発生、再生や老化、個体差の形成といった局面で解明すること、組織や個体の健康を保つ代謝スイッチ機構、細胞運命の可塑性制御の解明を目指しています。具体的には「非細胞死カスパーゼの生体制御機構」、「発生・成長・老化・再生における代謝スイッチ機構」、「表現度発現の分子機構」、「発生における器官サイズ制御」、「細胞運命の可塑性から解く組織恒常性と環境応答」を対象とした研究を進めています。
 遺伝学教室では、1)生命現象を自分の視点で観察し、2)その観察結果を基に仮説をたてて証明する実験を行い、3) 結果をまとめて研究分野を刺激する新たな概念を盛り込んだ論文を発信する、一連の流れで研究をおこなっています。学会発表や論文を出すということは、世界の一流の研究者と同じ土俵にたって切磋琢磨していくということです。それができるようになるには、生体の中でおこる魅力的な細胞や分子のふるまいについて四六時中思いをよせ、実験を重ねて答えを生物から聞き出すことの繰り返しに尽きます。生物が思わず答えをもらしてしまうようなとびきりの実験を考えたら、それをすぐにやってみましょう。遺伝学教室では細胞死を軸とした研究から、魅力的な生命現象や、健康と病態を新しい視点で捉えるべく研究を進めています。



NEWS!

P1110021


(HP 改築工事中 
昔のリンクなどが残っており、少々ご不便をおかけしますが、どうぞご理解のほどよろしくお願い致します。
旧HPのリンクは以下になります。

http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~genetics/index.html
HPの改訂ができず周知に支障をきたし申し訳ございません。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
2020.05.16)



(Acknowledgement: Dr. Hiroaki Itoh (Inoue Lab) helped us to publish our website.)