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卒業生の声

東京大学医学部附属病院 薬剤部 薬剤師

伊藤 紗代(旧姓:松岡)

2013年3月 薬学部薬学科卒業
医薬品情報学教室(現育薬学教室)
伊藤 紗代(旧姓:松岡)
 私は薬学部薬学科(6年制課程)に進学しました。学部卒業後は、東京大学医学部附属病院の薬剤部で薬剤師として働いています。
 薬学科では、所定の単位取得と実技試験(OSCE)・筆記試験(CBT)に合格後、4年生の終わりから5年生の夏にかけて、それぞれ2か月半ずつの病院実習・薬局実習を受けることができます。将来的に薬剤師の仕事に就かないとしても、臨床現場を垣間見る経験はとても貴重で、かつ楽しいものだと思います。東大病院における病院実習では、大学の講義で習う薬物療法だけでなく、電解質や栄養などの全身管理を含めた治療の全容を見ることができました。また、東大近隣薬局での薬局実習は、地域医療における保険調剤薬局の位置付けについて実感を持って考える良い機会となりました。
 4年生から6年生の間に所属していた研究室では、「妊娠期における抗うつ薬の胎児移行性」をテーマとし、「妊婦」という、母体と胎盤と胎児が結びついた特殊なコンパートメントモデルを考え、胎児における薬物血中濃度の予測法を提案しました。このときに学んだ薬物動態学の基礎は今の仕事においても大変活かされています。というのも、医療現場では、情報が少ない中で治療方針を選択していかなければならないことが多々あります。妊婦や新生児は、薬剤開発過程で臨床試験の被験者に組み込まれているでしょうか。新しい抗癌剤を透析患者さんに投与したいとき、用量は添付文書に記載されているでしょうか。世の中にあるすべての薬剤の組み合わせについて相互作用のデータがあるでしょうか。すべて答えはNoです。このように限られた情報しか入手できない中で少しでも適切な選択をしていくためには、薬理学・薬物動態学を始めとする薬学の原則を元に、理論上起こりうることを予想していく必要があります。こういったとき、薬学部時代に学んだ基礎学問及び論理的思考力が大変役に立っていると感じ嬉しく思います。
 どの研究室に所属し、どのような分野へ進まれるとしても、学生時代には仲間と共にたくさん学び、たくさん遊んでください。皆さんの薬学部生活が実り多きものとなるようにお祈りしています。
宇部興産株式会社
研究開発本部 医薬研究所
創薬合成第1グループ

中村 翔

2014年3月 修士課程修了
薬化学教室
中村 翔
 私が薬学の魅力をあげるとしたら、それは複数の領域が一箇所に集まっているからこその予期せぬ出会いがあることだと思います。
 私は漠然とヒトの身体の中で起こっている事が知りたいというあいまいな動機で薬学へと進学しました。驚くことに薬学は病気という複雑な状態を分子レベルのメカニズムにまで解明し、さらにはそれを薬という小さな分子一つで正常な状態に戻そうという大変挑戦的な学問でした。当然一筋縄ではいかず、生物学、化学、物理学といった基礎的な研究から経済・政策にいたる多種多様な分野について学ぶ必要があります。講義に実習にと大変ではありますが、各分野の一流の研究者の考え方に触れつつ幅広い知識を身につける事ができるという点で、研究を志す方には非常に良い環境だと思います。そして一つの問題に対して多面的にアプローチするその経験は、研究に限らず将来どのようなキャリアを進むにしても糧になるのではないでしょうか。
 さて、進学当初は生物学を志していた私ですが薬学部で出会った有機合成化学の”ものづくり”に魅力を感じ、大学院では有機合成を主とする研究を行いました。そして現在、化学メーカーの医薬研究所で新薬の候補を見つけだすべく合成実験に従事しています。化学メーカーでの創薬研究というと意外に聞こえるかもしれませんが、多様な素材の集まる企業だからこそ出来る発見があるのではないかと日々研究に取り組んでいます。もし、あなたが薬学部・薬学系研究科で創薬に興味を持ったならば、どうぞ大学・製薬企業に限らず幅広い視点で見渡してみてください。思ったよりも選択肢は多く、また薬学系出身者を必要としている分野は多いと思います。皆さんがこれから魅力的な出会いをし、新たな領域を切り開いていってくれることを期待しています。
協和発酵キリン株式会社
研究開発本部
トランスレーショナルリサーチユニット
薬物動態1グループ

相田 健佑

2015年3月 博士後期課程修了
分子薬物動態学教室
相田 健佑
 もし皆さんが「薬の形を想像してください」と言われたら、様々な形を想像すると思います。例えば錠剤を想像してみると、道端に転がっている石ころよりも小さなモノを想像すると思います。この石ころよりも小さなモノで人の命を救うことができます。薬というものは形こそ小さいですが、研究者の知識が詰まった知の塊のようなものです。
 創薬には様々なプロセスがあります。その過程において用いられる学問は、例えば、有機化学、分子生物学、薬理学、分析化学、薬物動態学、毒性学そして統計学など多岐に渡ります。
 東京大学薬学部、大学院薬学系研究科は創薬に関わる学問を幅広く学ぶことができる環境です。研究に携わる先生方はその分野の第一人者であり、その先生方から最先端のサイエンスを学ぶことができます。薬学という軸の中で、幅広い研究領域に関わることができるのは、東京大学薬学部、大学院薬学系研究科の特権だと思います。
 私は学部・大学院時代分子薬物動態学教室に所属し、細胞内小胞輸送のメカニズム解析に従事しました。共焦点顕微鏡を駆使し小胞輸送を可視化するとともに、輸送小胞の細胞内動態を定量的に評価することで、メカニズムの解析を行いました。研究室の日々の研究で学んだ、物事を定量的に考えるという視点を生かし、現在は薬物の体内動態の定量的な解析を行っています。
 一つの薬を作ることで、患者さん、さらにはその家族を幸せにすることができるかもしれません。もしかしたらそのうちの一人は将来の自分や家族かもしれません。創薬に関わるということは目の前の人だけではなく、世界中の人々、さらにはまだ生まれてきていない人の人生を豊かにすることが出来る可能性を持っています。将来、皆さんと一緒に創薬に携わることができることを期待しております。
武田薬品工業株式会社
日本開発センター
クリニカルファーマコロジー室

加藤 卓也

2012年3月 博士後期課程修了
分子薬物動態学教室
加藤 卓也
 私は薬学部に進学後、分子薬物動態学教室で研究を行い、博士課程修了後に現在の会社に就職しました。私は研究者としてではなく、製薬企業の臨床開発の段階(治験の実施や医薬品の承認申請を行う段階)で臨床試験の計画立案や結果の解析などを通して医薬品開発に関わっています。治験から得られるデータは限られているため、得られている結果からどのようなことが言えてどのようなことがリスクとして残っているのかをサイエンスに基づいて考えることが必要となります。それぞれの地域の人たちにとって最適な用量はどれだろう?高齢の方に投与しても大丈夫だろうか?これまでに患者さんが飲んでいた薬と一緒に飲んでしまっても大丈夫?などなどそんなことを考えながら日々の仕事を行っています。
 薬学部の魅力は、有機化学、物理化学、生命科学などの幅広い学問について基礎的な部分から実学的な部分まで幅広く学ぶことができることです。学生時代に「医療に関わる何か」の職に就きたいと漠然と考えていた私にとって、医療や創薬に関連する様々な学問に触れることで自分がどのような学問に適性があるのかを見定めた上で研究室の選択ができたことはとてもありがたいことでした。研究室についてはどの分野も世界トップクラスの先生方ばかりですので、その中に身を置くことで専門性を身につけることができますし、それに加えて、論理的に物事を考える力、自分の研究という1つのプロジェクトを自分で計画し実行する力(や場合によっては後輩を指導する力も)を身につけることができます。
 現在私が従事している仕事ではサイエンスについての幅広い知識も勿論必要ではありますが、それよりも薬学部時代に身につけたプロジェクトを自分で実行する力や物事を論理的に考える能力の方が日々の仕事の中で役に立っていると感じています。
 薬学部では要求されるレベルが高く、大変なことも多かったですが、そこでの生活を通して身につけた能力は「社会を生き抜く力」として卒業後にどのような分野に進んだとしても活かすことができるものだと思います。実際、研究以外の分野で活躍されている薬学部の先輩方も多いです。薬学部に進学された皆様には、自分の可能性を決めつけずに様々な分野で活躍してほしいな、と思っています。
東京大学

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