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2016/10/01 (Sat)

有機合成化学教室の川島茂裕特任講師らが、リボソーム生合成を標的にした新規低分子阻害剤ribozinoindoleの同定に成功

東京大学大学院薬学系研究科の川島茂裕特任講師らの研究グループは、リボソーム生合成に必須なAAA+タンパク質ミダシンの特異的かつ可逆的低分子阻害剤の同定に世界で初めて成功しました。本研究成果は、Cellのオンライン速報版で公開されました。
 
雑誌名:「Cell」
論文タイトル:Potent, reversible and specific chemical inhibitors of eukaryotic ribosome biogenesis
著者:Shigehiro A. Kawashima, Zhen Chen, Yuki Aoi, Anupam Patgiri, Yuki Kobayashi, Paul Nurse and Tarun M. Kapoor
DOI番号:10.1016/j.cell.2016.08.070
論文へのリンク:http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.08.070
プレスリリースへのリンク:
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kanai/news/Kawashima_Cell_press.pdf
 
細胞内の全てのタンパク質はリボソームと呼ばれる巨大RNA・タンパク質複合体により合成されます。そのため、細胞は莫大なエネルギーを費やして、毎分1000以上のリボソームを合成しています。また、細胞はこのリボソーム生合成を素早くかつ正確に行う必要があり、もしこの過程に異常が生じると、リボソーム病などの疾患につながる可能性が考えられています。さらに、リボソーム生合成の亢進はがん化にも関連することが知られています。よって、リボソーム生合成の分子機構を理解すること、およびリボソーム生合成を標的とした低分子阻害剤を同定することは、基礎生物学的観点、医学・薬学的観点の両面において非常に重要な課題であると考えられています。本研究グループは、独自に開発した薬剤感受性分裂酵母を用いたケミカルスクリーニング系によりリボソーム生合成に必須なAAA+タンパク質ミダシンの特異的かつ可逆的阻害剤を同定し、ribozinoindoleと名付けました。さらにribozinoindoleを用いた詳細な解析から、ミダシンのリボソーム生合成における新たな機能を見い出しました。ミダシンは酵母からヒトまで真核生物において広く保存されたタンパク質です。本成果は、真核生物において保存されたリボソーム生合成の根源的な分子機構の理解に大きな進展をもたらすことが期待されます。また、本成果により、リボソーム生合成、およびAAA+タンパク質を標的にした新たな創薬展開が期待されます。
 

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