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2017/01/27 (Fri)

天然物化学教室の張驪駻大学院生、阿部郁朗教授らが、自然界で多様なポリケタイド化合物が生み出される遺伝子進化のメカニズムを解明

天然物化学教室の張驪駻大学院生、阿部郁朗教授らは、自然界がどのように多様な構造を持つポリケタイド化合物を作り分けているかに関する遺伝子進化メカニズムの一端を明らかとしました。本研究成果は2017年1月11日付でAngewandte Chemie International Edition オンライン版に掲載されました。
 
原著論文:
“Characterization of Giant Modular PKSs Provides Insight into Genetic Mechanism for Structural Diversification of Aminopolyol Polyketides”
Lihan Zhang, Takuya Hashimoto, Bin Qin, Junko Hashimoto, Ikuko Kozone, Teppei Kawahara, Masahiro Okada, Takayoshi Awakawa, Takuya Ito, Yoshinori Asakawa, Masashi Ueki, Shunji Takahashi, Hiroyuki Osada, Toshiyuki Wakimoto, Haruo Ikeda, Kazuo Shin-ya, Ikuro Abe
Angewandte Chemie International Edition, DOI: /10.1002/anie.201611371
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201611371/abstract
 
 様々な薬効を示す天然物は創薬資源として有用である一方、その複雑な構造はしばしば有機合成を困難にし、十分な量を供給することができないという問題も抱えています。近年、酵素や微生物の発酵生産などの生合成を用いて有用物質を生産する「合成生物学」が注目を浴びていますが、思い通りの分子設計を生合成する手法は未だ限られており、自由な分子デザインを可能にする方法論の開発が課題でありました。
 今回研究グループは、自然界でどのように遺伝子が進化して多様な構造の天然物を生み出しているかの進化メカニズムを、医薬品として重要なポリケタイド類の合成酵素を例に解析しました。その結果、天然物の構造の違いは遺伝子の相同組み替えにより生じていることを明らかとし、遺伝子の組み換え領域やそのルールについても部分的に解明することに成功しました。ポリケタイド合成酵素は組み立てラインのように順番に反応を触媒し、遺伝子の配列と得られる化合物の構造が対応するがことが特徴的であり、そのため進化を模倣した酵素デザインや遺伝子組み替えにより合成酵素を設計し、ポリケタイド化合物を人為的に作り出すことへの応用が期待されます。
 なお本成果は、産業総合研究所の新家一男博士、北里大学の池田治生教授らとの共同研究により、文部科学省科学研究費補助金・新学術領域研究(研究領域提案型)「生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学」の支援のもと行われたものです。

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