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2016/06/25 (Sat)

衛生化学教室の向井康治朗特任助教、田口友彦准教授、新井洋由教授が、病原体の感染を察知し炎症応答を誘導する自然免疫分子の活性化機構を解明

東京大学大学院薬学系研究科の新井洋由教授の研究グループは、病原体の感染を察知し1型インターフェロン応答を誘導する自然免疫分子STINGの活性化機構を世界で初めて明らかにしました。本研究成果は2016年6月21日付でNature Communications (オンライン版)に掲載されました。
 
原著論文:
Kojiro Mukai, Hiroyasu Konno, Tatsuya Akiba, Takefumi Uemura, Satoshi Waguri, Toshihide Kobayashi, Glen N. Barber, Hiroyuki Arai & Tomohiko Taguchi, " Activation of STING requires palmitoylation at the Golgi ", Nature Communications: 2016/6/21 (Japan time), doi: 10.1038/ncomms11932.
論文へのリンクはこちら:
http://www.nature.com/ncomms/2016/160621/ncomms11932/full/ncomms11932.html
 
DNAウイルスやバクテリアなどの異物が細胞に感染した際に細胞質に持ち込まれるDNAは、小胞体に存在する膜タンパク質STINGによって感知され、I型インターフェロンおよび炎症応答を引き起こします。この反応は、我々の体が異物を認識し排除する自然免疫と呼ばれる基本的な反応です。しかしながら、なぜ細胞質中のDNAに対する応答が膜タンパク質を利用して起きるのかは不明でした。またSTINGは細胞質DNAを感知したのちに、小胞体局在性を失い核近縁部に移動することも示されていましたが、その意義も不明でした。
今回の成果から、(i)STINGの活性化の場が、細胞質DNAを感知する小胞体ではなくゴルジ体であること、(ii) STINGの活性化にゴルジ体で起きる翻訳後修飾であるパルミトイル化とゴルジ体のユニークな脂質環境の二つが必要であることが明らかとなりました。
STINGを介した炎症応答は、病原体感染時のみならず、自己免疫疾患/ガン/ミトコンドリア障害/紫外線暴露時など多様な局面での炎症応答に関与することが明らかとなってきています。今回の結果から、細胞内小器官の脂質環境を制御することが、炎症応答をコントロールする新しい手段となることが期待されます。

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