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2016/08/17 (Wed)

蛋白質代謝学教室の小泉峻大学院生、村田茂穂教授が、プロテアソームの新規合成を促進する分子機構を解明

東京大学大学院薬学系研究科の村田茂穂教授の研究グループは、DDI2と呼ばれるプロテアーゼが細胞内タンパク質分解装置「プロテアソーム」の産生の促進に必要であることを明らかにしました。本研究成果は2016年8月16日付けでeLife(オンライン版)に掲載されました。
 
原著論文:
“The aspartyl protease DDI2 activates Nrf1 to compensate for proteasome dysfunction”
Shun Koizumi, Taro Irie, Shoshiro Hirayama, Yasuyuki Sakurai, Hideki Yashiroda, Isao Naguro, Hidenori Ichijo, Jun Hamazaki, Shigeo Murata.
eLife, doi: 10.7554/eLife.18357
https://elifesciences.org/content/5/e18357
 
 プロテアソームは細胞内で不要になったタンパク質や傷害を受けたタンパク質を選択的に分解することにより、細胞機能の発現と維持に必須の働きを持ちます。そのため、適切なプロテアソーム量の調節は、身体を健全に保つために重要な機構です。プロテアソームによるタンパク質分解機能が低下した際には、Nrf1と呼ばれる転写因子が活性化し、プロテアソームの産生を増やすフィードバック機構が存在します。しかし、その詳細な分子機構は不明でした。
 今回研究グループは、転写因子Nrf1の活性化を担う因子を網羅的に探索し、DDI2と呼ばれるプロテアーゼがNrf1を小胞体膜から切り離すことにより活性化し、プロテアソーム産生を促進することを初めて明らかにしました。
 プロテアソーム機能の異常な亢進は、がん細胞の増殖に寄与していると考えられています。実際に、プロテアソーム阻害剤は多発性骨髄腫をはじめとしたがんに対して有効性を示しています。しかし、プロテアソーム阻害剤投与時に、Nrf1活性化によるプロテアソーム機能の復元作用が薬剤耐性獲得に寄与していることが知られていました。本研究で得られた成果をもとに、DDI2を標的とする新規がん治療薬の開発が期待されます。

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