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2016/10/20 (Thu)

蛋白構造生物学教室の張志寛大学院生、大戸梅治准教授、清水敏之教授らの研究グループが、微生物の侵入を感知して免疫系を活性化するTLR7タンパク質の詳細な立体構造を解明

東京大学大学院薬学系研究科の張志寛大学院生、大戸梅治准教授、清水敏之教授らの研究グループは、微生物の侵入を感知して免疫系を活性化するTLR7タンパク質の詳細な立体構造を世界で初めて明らかにしました。
 
原著論文
雑誌名:Immunity
論文タイトル:Structural analysis reveals that Toll-like receptor 7 is a dual receptor for guanosine and single-stranded RNA
著者:張志寛*、大戸梅治*、柴田琢磨、クラユヒナエレナ、田岡万悟、山内芳雄、丹治裕美、礒邉俊明、内山進、三宅健介、清水敏之†  (*共同筆頭著者、†責任著者)
DOI番号:10.1016/j.immuni.2016.09.011
論文へのリンクはこちら
http://www.cell.com/immunity/fulltext/S1074-7613(16)30380-6
 
細菌やウイルスなどの病原体に対する感染防御機構として、自然免疫機構が備わっており、TLR受容体が主にその役割を担っています。TLR7はTLR受容体の1つで、ウイルス由来の一本鎖RNAまたは合成低分子リガンドを感知することで、インターフェロンなどの産生を促します。そのためTLR7は、抗ウイルス薬、ワクチン、抗がん剤などのターゲットとして注目されていましたが、リガンドを感知する具体的な機構は不明でした。
研究グループは、TLR7が、一本鎖RNA(polyU)と2種類の低分子リガンド(グアノシン、loxoribine)のいずれか、あるいは低分子リガンドR848に結合した複合体の立体構造を明らかにしました。その結果、TLR7はそれぞれのリガンドと2 : 2(または2 : 2 : 2)の複合体を形成することで、活性化型の2量体となることが明らかになりました。グアノシン、loxoribineおよびR848などの低分子リガンドは2量体の界面に位置する第1結合部位に、polyU一本鎖RNAはTLR7のリング型構造の凹面の第2結合部位に位置していました。構造解析と生化学的実験の結果、TLR7はこれらの2種類のリガンドによって協調的に活性化されることが明らかになりました。
これらの知見は、ワクチンアジュバントの開発やウイルス感染やアレルギーなどの治療薬の設計につながることが期待されます。

プレスリリースはこちら
 

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