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2017/11/22 (Wed)

天然物化学教室の胡丹特別研究員、阿部郁朗教授らが、合成生物学の手法によるステロイド抗生物質の微生物生産系の構築に成功

東京大学薬学系研究科の阿部郁朗教授と胡丹特別研究員らの研究グループは、ステロイド抗生物質の微生物生産系を構築し、その生合成経路を利用することで、本来の化合物よりも活性の高いアナログを取得することに成功しました。本研究成果は2017年11月21日付でNature communication (オンライン版)に掲載されました。
 
原著論文: Biosynthesis of helvolic acid and identification of an unusual C-4-demethylation process distinct from sterol biosynthesis (Nature Communication) doi: 10.1038
論文はこちら:
https://www.nature.com/articles/s41467-017-01813-9
 
フシジン酸、ヘルボール酸などのステロイド系抗生物質は、翻訳過程を阻害することで、抗細菌活性を示す特異な化合物群です。これまで、その生合成経路は初期の数ステップが明らかになっていたものの、その全容は謎に包まれていました。
本研究グループは、ヘルボール酸の生合成に関わる遺伝子群に注目し、それらを糸状菌ホストで異種発現することで、オキシドスクアレンからヘルボール酸に至る9つの生合成ステップの全てを明らかにし、それぞれの中間体を単離することで、非天然型の抗生物質を取得することに成功しました。その中には、ヘルボール酸よりも高い抗ブドウ球菌活性を持つ中間体が存在することを明らかにし、ステロイドのA、B環の構造が活性に寄与することを示しました。さらに、研究の過程で、P-450酸化酵素と還元酵素が協奏的に働くことで、4位の脱メチル化を行う新規な生合成経路を示すことに成功しました。今後、本研究で構築されたステロイド抗生物質生産系を元に、天然物を超える活性を持つ抗生物質を迅速簡便に生合成するシステムが構築されることで、創薬研究に大きく貢献することが期待されます。
 


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