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2016/01/15 (Fri)

有機反応化学教室の長友優典助教、井上将行教授らが、カルシウムイオンチャネル開閉制御因子リアノジン、およびその類縁天然物の網羅的全合成に成功

有機反応化学教室の長友優典助教、枡田健吾大学院生、小清水正樹大学院生、井上将行教授らは、カルシウムイオンチャネル開閉制御因子リアノジンの世界初の不斉全合成に成功しました。本研究成果は、2015年11月30日付けで[Chemistry A Europian Journal]電子版に掲載されました。また同一の合成戦略を用いて類縁天然物の網羅的全合成を達成しました。本研究成果は、2016年1月15日付けで[Angewandte Chemie International Edition]電子版に掲載されました。
 
原著論文:
1. Symmetry-Driven Strategy for the Assembly of the Core Tetracycle of (+)-Ryanodine: Synthetic Utility of a Cobalt-Catalyzed Olefin Oxidation and a-Alkoxy Bridgehead Radical Reaction (DOI: 10.1002/chem.201503640)
2. Asymmetric Total Synthesis of (+)-Ryanodol and (+)-Ryanodine (DOI: 10.1002/chem.201503641)
3. Unified Total Synthesis of 3-epi-Ryanodol, Cinnzeylanol, Cinncassiols A and B, and Structural Revision of Natural Ryanodol and Cinnacasol (DOI: 10.1002/anie.201511116)

リンク先:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201503640/abstract
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201503641/abstract
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201511116/abstract
 
発表概要:
イオンチャネルは生命現象を司る重要タンパク質です。その1つであるカルシウムイオンチャネル(リアノジンレセプター: RyR)は骨格筋・心筋・平滑筋・脳に存在し、カルシウムイオンの濃度を制御します。植物アルカロイドであるリアノジンはRyRに特異的に結合する興味深い活性を持つため、生物学・薬理学・生理学研究上の重要ツールとして広く利用されてきました。リアノジンを始めとするリアノイド類は多数単離報告されていますが、極めて複雑な分子構造を有するため、化学合成・化学変換による構造活性相関研究は制限されてきました。
 今回、研究グループはリアノジンの完全化学合成法の開発に取り組み、分子の対称性を最大限活用した独創的な合成戦略により、リアノジンの世界初の不斉全合成に成功しました。本合成戦略に基づき、計6つのリアノイド類の網羅的全合成を実現するとともに2つの天然物の提唱構造を訂正しました。本研究成果は、リアノイド類の詳細な生物活性発現機構の解明、RyRの機能解明およびRyR関連疾患の治療に繋がるものと期待されています。

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