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2017/10/19 (Thu)

有機反応化学教室の橋本哲大学院生、加藤雄大大学院生、井上将行教授らが、ラジカル反応を鍵戦略とする複雑天然物レジニフェラトキシンの全合成に成功

有機反応化学教室の橋本哲大学院生、加藤駿一郎大学院生(当時)、加藤雄大大学院生、占部大介講師(当時)、井上将行教授は、高度に官能基化された中間体に対する3成分ラジカルカップリングおよびラジカル環化を鍵反応とする収束的な合成戦略により、複雑天然物レジニフェラトキシンの全合成を達成しました。本研究成果は、2017年10月17日付けでJournal of the American Chemical Society電子版に掲載されました。
 
発表論文
掲載雑誌名: Journal of the American Chemical Society
論文タイトル: Total Synthesis of Resiniferatoxin Enabled by Radical-Mediated Three-Component Coupling and 7-endo Cyclization
著者: Satoshi Hashimoto, Shun-ichiro Katoh, Takehiro Kato, Daisuke Urabe, Masayuki Inoue*
DOI: 10.1021/jacs.7b10177
論文へのリンクはこちら:
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.7b10177

発表概要:
レジニフェラトキシンは植物であるハッカクキリンから単離・構造決定されたダフナンジテルペンです。本天然物は、痛覚に関与する受容体TRPV1に作用し、脱感作を経て強力な鎮痛活性を示すことから新規鎮痛薬の候補化合物として期待されています。構造的特徴として5/7/6員環がトランスに縮環した3環性炭素骨格上に、7つの連続不斉中心を含む多数の酸素官能基を有している点が挙げられます。現在までに数多くの合成研究がなされてきましたが、その成功例はWenderらによる一例のみであり、極めて合成困難な複雑天然物として知られています。
今回、本研究グループは3成分ラジカルカップリング反応と、ラジカル環化反応を鍵工程として用いることで、レジニフェラトキシンの全合成を達成しました。ラジカル反応は温和な中性条件下で進行するため、極性官能基を損なうことなく複雑な分子骨格を一挙に構築できます。本研究成果によって、ラジカル反応の特性を生かした、独創的な天然物の収束的合成戦略が提供できました。異なる部分構造を3成分ラジカルカップリング反応に利用することで、多様な類縁化合物の網羅的合成へ応用できる可能性があり、今後レジニフェラトキシンの構造を基盤とした新規鎮痛薬の開発が期待されます。
 


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