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2015/01/22 (Thu)

清水敏之教授、丹治裕美大学院生、大戸梅治講師らがToll様受容体8はRNAの分解物を認識することを発見

東京大学大学院薬学系研究科の清水敏之教授、丹治裕美大学院生、大戸梅治講師および同医科学研究所の三宅健介教授、柴田琢磨助教らの研究グループは、病原体由来の一本鎖RNAを感知して自然免疫系を活性化するToll様受容体8(TLR8)が一本鎖RNAを認識する様子の詳細な三次元構造を世界で初めて解明しました。

原著論文:Toll-like receptor 8 senses degradation products of single-stranded RNA (Nature Structural & Molecular Biology)
DOI: 10.1038/nsmb.2943


私たちの体には、病原体に対する防御機構として自然免疫機構が備わっています。病原体は主にTLR受容体と呼ばれるタンパク質が感知しており、炎症反応などを起こすことで生体を病原体から守っています。TLR受容体には病原体由来の一本鎖RNAを感知するもの(TLR7とTLR8)が知られており、ウイルス感染や自己免疫疾患などの病態に関わっていることがわかっていました。しかしTLR7やTLR8がどのようにして一本鎖RNAを認識しているのかは不明でした。
今回、研究グループは、TLR8と一本鎖RNAが結合した状態(複合体)の詳細な三次元構造を明らかにしました。その結果、TLR8は一本鎖RNAだけを認識しているのではなく、一本鎖RNAと、一本鎖RNAが分解されて生じるウリジンという低分子の両者を同時に異なる部位で認識しており、これらの協調的な作用によって活性化されることがわかりました。またこの観測事実はTLR8がRNAとは構造的にも化学的にも大きく性質の異なる物質によっても活性化されるという謎を解明するものでもあります。
本研究の成果は、TLR8を標的とした抗がん剤や自己免疫疾患の治療薬などの開発につながることが期待されます。
なお、本成果は首都大学東京大学院理工学研究科の磯辺俊明特任教授、田岡万悟助教、山内芳雄特任研究員らのグループとの共同研究によるものです。

大学のプレスリリースへのリンク

http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_270120_j.html

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