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2015/04/01 (Wed)

薬品代謝化学の浦野泰照教授らが、がん細胞を光らせて検出する新たなスプレー蛍光試薬を開発

 東京大学大学院薬学系研究科・医学系研究科の浦野泰照教授らは、外科手術時や内視鏡・腹腔鏡手術時に、がんが疑われる部分にスプレーするだけで、数分でがん部位のみを光らせて検出することを可能にする新たな蛍光試薬の開発に成功しました。
 浦野教授らは2011年に、特定のたんぱく質分解酵素活性が、がん細胞で高くなっていることを利用した、世界初の迅速がん部位可視化スプレー蛍光試薬の開発に成功し、現在では患者由来の外科手術サンプルを用いてその機能の検証を行っています。しかし、この試薬では見つけることができないがんも多く存在することから、より幅広いがん種を光らせることができる新たなスプレー蛍光試薬の開発が望まれていました。本研究グループは今回、新たにがん細胞中の糖鎖分解酵素活性が高いことを活用したがん検出スプレー蛍光試薬を開発しました。この試薬は無色透明で蛍光を発しませんが、がん細胞中に含まれるβ-ガラクトシダーゼという糖鎖分解酵素と反応すると構造が変化して、強い蛍光を発する物質へと変化するように設計されています。この試薬を、さまざまな種類の卵巣がん細胞を腹腔内へと転移させたモデルマウスに投与した結果、上述したたんぱく質分解酵素活性を標的とする試薬では可視化できなかったものを含め、全てのがん細胞の可視化に成功しました。
 腹腔に転移したがんは、1mm以下の微小がんまで取りきることができれば、術後5年生存率が大きく改善することが知られています。今回開発に成功したスプレー蛍光試薬を術中に使用することで、微小がんの発見や取り残しを防ぐことが可能となり、腹腔鏡を活用したがん治療に画期的な役割を果たすことが期待されます。今後、本スプレー蛍光試薬の臨床新鮮検体を活用した機能の検証と、安全性試験を行う予定です。
 なお、本研究成果は、2015年3月13日に英国科学誌Nature Communicationsのオンライン速報版で公開されました。

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