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2015/06/24 (Wed)

大手友貴大学院生、村田茂穂教授らが、有用キラーT細胞を「正の選択」する自己ペプチドを解明

 蛋白質代謝学教室の大手友貴大学院生、村田茂穂教授らは、胸腺のみに見られるタンパク質分解酵素が、T細胞が成熟する過程で非自己を認識することのできる有用なものだけに選別される“正の選択”を促進する特殊なタンパク質断片を作り出すことを明らかにしました。本研究成果は2015年6月23日付けでNature Communications(オンライン版)で公開されました。
原著論文:Thymoproteasomes produce unique peptide motifs for positive selection of CD8+ T cells (Nature Communications) doi:10.1038/ncomms8484.
論文はこちら
 
 私たちの身体の免疫システムは自己と異物などの非自己を識別して、身体に侵入してくる病原体などの非自己を退治します。このような非自己だけに応答する機構の中心となるのがT細胞です。T細胞の集団は胸腺における“教育”を経て形成されます。まず1種類の抗原(異物の断片)を認識することのできる無数の種類の未熟なT細胞が作り出された後、非自己を認識することのできる有用なT細胞を生存させる“正の選択”と自己を攻撃する有害なT細胞を排除する“負の選択”を受けて選別されます。
 研究グループはこれまでに正の選択には胸腺プロテアソームと呼ばれる特別なタンパク質分解酵素が重要であることを明らかにしていました。しかし、その詳細な機構は不明でした。
 今回、研究グループは、胸腺プロテアソームが特殊な配列を持ったペプチドを作り出すことを質量分析法を用いて解析し、そのペプチドが未熟なT細胞の “正の選択”を促進し、病原体などの非自己は攻撃するが、自己は攻撃しない有用なキラーT細胞へ分化させることを明らかにしました。
 本成果は、正の選択の初期過程の詳細な分子実態を初めて明らかにするものであり、感染症、がん、免疫関連疾患の治療法の開発につながると期待されます。
 
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