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2014/12/11 (Thu)

微生物薬品化学教室の浜本洋助教、関水和久教授らが、新規抗生物質ライソシンの発見と作用機序の解明に成功

浜本洋助教、関水和久教授らのグループは、カイコを用いたアッセイ法により新規抗生物質ライソシンを発見し、その作用機序がこれまでの抗生物質にないものであることを明らかにしました。本研究成果は、2014年12月8日付けで米科学誌[Nature Chemical Biology]電子版に掲載されました。
 
(原著論文): Lysocin E is a new antibiotic that targets menaquinone in the bacterial membrane (doi: 10.1038/nchembio.1710)
リンク先:http://www.nature.com/nchembio/journal/vaop/ncurrent/full/nchembio.1710.html
 
発表概要
 高齢化社会の到来により、細菌感染症によって亡くなる患者が増えています。臨床の現場では、多剤耐性菌の出現により既存の治療薬が効かない感染症が深刻な問題となっており、これまでにない作用機序に基づく治療薬の開発が必要とされています。しかしながら、治療効果を有する新しい抗生物質の発見確率は低下してきており、また、その開発には巨額の費用がかかることから、近年、新しい作用機序を有する抗生物質が市場で販売されるに至るケースは非常に限られてきています。
このような状況に対応するため、東京大学大学院薬学系研究科の関水和久教授、浜本洋助教らと株式会社ゲノム創薬研究所らの共同研究グループは、コストが安く、倫理的な問題がないカイコにさまざまな細菌を感染させ、抗生物質を評価できる実験手法を開発してきました。そしてこの実験手法を利用して、これまでに新規抗生物質ライソシンを発見していました。しかし、ライソシンの作用機序は分かっていませんでした。
今回、研究グループは、ライソシンEの作用機序について明らかにし、ライソシンEがこれまでの抗生物質とは異なり、メナキノンを標的とする全く新しい機構で細菌を殺菌していることを見いだしました。また、マウスにさまざまな細菌を感染させてライソシンEの治療効果を評価した実験においても、ライソシンEは既存薬と比較して多剤耐性黄色ブドウ球菌に対して優れた治療効果を示し、安全性も高いことを明らかにしました。
ライソシンEは今後、多剤耐性菌の出現で問題となっている黄色ブドウ球菌の治療薬としての応用が期待されます。

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