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2017/07/28 (Fri)

有機反応化学教室の藤野遥大学院生、長友優典助教、井上将行教授らが、抗生物質であるポリオキシン類およびフッ素化誘導体の統一的全合成に成功

有機反応化学教室の藤野遥大学院生、長友優典助教、井上将行教授は、高度に酸素官能基化されたジペプチド核酸系抗生物質であるポリオキシンJ, Lおよびそれらのフッ素化誘導体群の統一的全合成を、入手容易なヌクレオシドを出発原料とし、脱一酸化炭素を伴う分子間ラジカルカップリング反応を用いて達成しました。本研究成果は、2017年7月20日付けでドイツ化学会誌Angewandte Chemie International Edition電子版に掲載されました。
 
発表論文
掲載雑誌名: Angewandte Chemie International Edition
論文タイトル: Unified Total Synthesis of Polyoxin J, L, and Their Fluorinated Analogues Based on Decarbonylative Radical Coupling Reactions
著者: Haruka Fujino, Masanori Nagatomo, Atmika Paudel, Suresh Panthee, Hiroshi Hamamoto, Kazuhisa Sekimizu, Masayuki Inoue*
DOI: 10.1002/anie.201706671
 
発表概要:
ポリオキシンJ (1a)およびL (1b)に代表されるポリオキシン類は、真菌の細胞壁の重要な構成要素であるキチンの生合成に対する阻害活性を有するジペプチド核酸系天然物です。キチンは動植物や細菌には存在しないため、ポリオキシン類は各種真菌感染症に対して特異的に作用する抗生物質としての機能が期待され、農薬として実用化されています。
一方で近年、高い電気陰性度に起因する、フッ素化誘導体の特異な物性が着目されています。そこで、井上将行教授の研究グループは、より強力な生物活性を有する人工類縁体の創出を狙い、1a/bの核酸塩基上にフッ素官能基を導入した、トリフルオロポリオキシンJ (1c)およびフルオロポリオキシンL (1d)を新たに設計しました。今回、本研究グループは、独自に開発したラジカル反応を鍵工程として、1a-dの統一的な全合成を達成しました。さらに、帝京大学医真菌研究センター・浜本洋准教授、関水和久教授(本学名誉教授)の研究グループとの共同研究の結果、1dが抗真菌活性に加えて、MRSAやVRSAを含む菌に対して活性を有することを明らかにしました。本研究成果により、高度に官能基化された複雑分子構築におけるラジカル戦略および新規生物活性分子の創出のための統一的全合成戦略の有用性を実証しました。
 


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