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教室紹介

薬科学 - 物理薬科学

研究科長・学部長 三浦 正幸
副研究科長 浦野 泰照
副研究科長 村田 茂穂
教育研究評議員 後藤 由季子
 
 
(2023.8.1現在)
:薬科学専攻長
:薬学専攻長
各教室のホームページは各教室の責任で運営されています。
 

生体分析化学

https://bunseki.f.u-tokyo.ac.jp
教授:船津 高志
教授(客):木村 廣道
准教授:角田 誠
助教:岡部 弘基

生体分子の機能を1分子レベルで計測し、生命機能を解明する

研究課題
  1. 生体分子機械の動作原理の解明
  2. 1分子検出顕微鏡による細胞機能解析
  3. マイクロ・ナノデバイスによる分析科学技術の開発

 21世紀は生命科学の世紀です。生物を理解するためには、いろいろな階層で研究する必要があります。一番下の階層は蛋白質やDNAといった生体分子が働いている階層です。それらが集まって、生体超分子、細胞、器官などが作られ、さらには個体、社会、生態系が構成されています。私たちは、最小機能単位である「生体分子」の階層と、生命としての機能が初めて発現する「細胞」の階層に焦点をあて、生体分子がどのようなメカニズムで機能しているのか?集合してどのようにシステムを構築しているのか?を明らかにしたいと考えています。
 具体的には、1個の生体分子(大きさにして数nm)に蛍光色素を結合させ、超高感度ビデオカメラを取り付けた蛍光顕微鏡で観察します。生体分子は、たった1分子でも機能を発揮できる分子機械です。例えば、神経細胞の中で物質の輸送を担っているキネシンと呼ばれるモーター蛋白質は、ATP加水分解による化学エネルギーを運動という機械的なエネルギーに転換して動いています。この分子モーターは微小管と呼ばれるレール蛋白質の上を2つの足で8nmのステップで運動します。人類は、このような分子機械を作る技術を現時点では持っていませんが、生物分子機械の動作メカニズムを研究することにより、近い将来実現したいと考えています。一方、多種・多様の生物分子機械が自己集合することにより、複雑なシステムが作られます。このシステムも人工のものと大いに異なっています。「生命」とは、これらの複雑なシステムの営みと言っても良いでしょう。私たちは、こうした生物システムを研究することにより、生命の謎に迫ります。
生細胞内の1分子をイメージングするための蛍光顕微鏡システム
生細胞内の1分子をイメージングするための蛍光顕微鏡システム 
エバネッセント照明による酵素反応(ATPase)の 1分子イメージングの原理
エバネッセント照明による酵素反応(ATPase)の 1分子イメージングの原理 

生命物理化学

https://biophys.f.u-tokyo.ac.jp/
教授:竹内 恒
准教授:上田 卓見
助教:幸福 裕・徳永 裕二

核磁気共鳴法を中心に独自の手法を開発し、動的構造情報から生命現象を解明する

研究課題
1. 動的構造解析に基づく生物学的・創薬科学的に重要なタンパク質の機能解明
2. 相互作用解析に基づくシグナル伝達やエネルギー代謝を司る生体分子群の機能解明
3. 高分子量タンパク質の立体構造やダイナミクスを解析するNMR手法の開発
4. 生体分子の機能環境を再現する試料調製法と洗練された安定同位体標識法の開発
5. in-cell NMR法による細胞内の生命現象のリアルタイム観測と細胞内創薬への展開


   タンパク質の精緻な立体構造情報は、生体機能の解明や創薬への応用に重要な役割を果します。一方、近年タンパク質は単一の構造のみをとるのではなく、複数の機能的構造の間を揺れ動いており、このような動的な性質がタンパク質の機能発現や機能制御に直結することが分かってきました。
   生命物理化学教室では、主に核磁気共鳴(NMR)法を用いてタンパク質の動的構造を解析することにより、生体分子が機能を発現する機構を解明し、生命現象を理解することを目指しています。解析対象としては、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)、トランスポーターなどの膜タンパク質、生物学的・創薬科学的に重要な細胞内シグナル伝達やエネルギー代謝を司る生体分子群に着目しています。当研究室では、高分子量タンパク質の動的構造を解析する独自のNMR手法の開発を推進するとともに、生体分子の機能環境を再現する試料調製法や、高度な安定同位体標識法の開発により、従来は解析が困難であった対象について動的構造情報の取得に成功しています。さらに、細胞内環境にあるタンパク質の動的構造を解析するため、細胞内(in- cell)NMR法の開発と細胞内創薬への展開も行っています。当研究室で取り扱うタンパク質はいずれも創薬標的としての重要性が高く、研究成果は合理的な薬物デザインを行う上において有用な情報を与えると期待されます。
 
図1:当研究室のNMRを用いた動的構造解析によって解明された生命現象の例(A) 多剤耐性転写因子の構造平衡が決める(B)転写活性比 (Proc Natl Acad Sci (2019) 116, 19963. (C) GPCR (β2アドレナリン受容体)の各リガンドの薬効度 (Nat Commun (2012) 3, 1045:Angew Chem Intl Ed (2014), 53, 13376)
図1:当研究室のNMRを用いた動的構造解析によって解明された生命現象の例(A) 多剤耐性転写因子の構造平衡が決める(B)転写活性比 (Proc Natl Acad Sci (2019) 116, 19963. (C) GPCR (β2アドレナリン受容体)の各リガンドの薬効度 (Nat Commun (2012) 3, 1045:Angew Chem Intl Ed (2014), 53, 13376) 
図2:当研究室で開発された新規NMR実験と抗体医薬アナログへの適用 (J Med Chem.(2020) 63, 5360:Nat Methods. (2019) 16, 333)
図2:当研究室で開発された新規NMR実験と抗体医薬アナログへの適用 (J Med Chem.(2020) 63, 5360:Nat Methods. (2019) 16, 333) 


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