メニュー

EN

トピックス

2018/05/09

天然物化学教室の胡丹特別研究員、阿部郁朗教授らが、生物共生微生物における新規ステロイド生合成経路の解明に成功


東京大学薬学系研究科の阿部郁朗教授と胡丹特別研究員らの研究グループは、植物複合体寄生糸状菌の遺伝子操作技術を開発し、それを既存の糸状菌発現系の構築技術と組み合わせることで、糸状菌由来フラノステロイド類ビリジンの生合成経路解明に成功し、本来の化合物よりも生体内での安定性の高いイノシトールリン脂質キナーゼ阻害剤を取得することに成功しました。本研究成果は2018年5月9日付でNature communications (オンライン版)に掲載されました。
原著論文: Biosynthetic Pathway for Furanosteroid AntibioticDemethoxyviridin and Identification of an Unusual Pregnane Side-chain Cleavage 
doi:10.1038/s41467-018-04298-2
論文はこちら: http://www.nature.com/articles/s41467-018-04298-2
 
フラノステロイド類は、高度に酸化された植物糸状菌由来ステロイド化合物です。これらは、真核生物の膜成分であるイノシトールリン脂質のリン酸化を触媒するイノシトールリン脂質キナーゼ(PI3K)の阻害剤であり、このキナーゼを介したシグナル経路はインスリン分泌促進など数々の生物作用を引き起こします。しかし、ワートマンニンに代表されるように、これらPI3K阻害化合物は主に抗炎症治療薬として用いられる一方で、ヒト生体内での安定性が低く、より安定な骨格の化合物が求められていました。そこで、その生合成経路を詳細に解析し、生合成の手法を用いて、新たなフラノステロイド化合物を作り出すことで、医薬品として有用な化合物が見出されることが期待されました。本研究グループは、フラノステロイドの一種であるビリジンを生産する植物複合体寄生糸状菌において、ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9法を用いた、簡便、迅速な遺伝子破壊の系を作製することに成功しました。また、麹菌において、生合成遺伝子の異種発現実験を行い、結果として、9つの新規化合物を含む14ものビリジン生合成中間体を取得することに成功しました。それぞれについて、PI3K阻害活性を比較することで、活性に重要な骨格の同定を行い、3位のケト基、C1b位の水酸基、C環の芳香環がPI3K阻害活性、生体内での安定性に重要であることを明らかにしました。今後、本研究の結果を元に、共生微生物の物質生産ポテンシャルを最大限に生かし、創薬研究に大きく貢献する化合物が生産されることが期待されます。本研究は、新学術領域「生合成リデザイン」JST/NSFC日本-中国戦略的国際共同研究プログラム「植物共生菌相互作用の包括的利用による二次代謝産物の網羅的解析」研究活動の一環として行われました。
 
詳しくはこちら

2018/05/09
プレスリリース 天然物化学教室の胡丹特別研究員、阿部郁朗教授らが、生物共生微生物における新規ステロイド生合成経路の解明に成功new
2018/05/03
プレスリリース 薬品作用学教室の八幡洋輔大学院生および池谷裕二教授らが、熟慮後の失敗が学習を促進することを発見
2018/04/26
プレスリリース 薬品代謝化学教室の高橋翔 大大学院生、鏡味優大学院生、花岡健二郎准教授、浦野泰照教授らの 研究グループは、生きている細胞から臓器までのpHを蛍光で簡便に 計測する技術を開発
2018/04/24
プレスリリース 基礎有機化学教室の王 超 助教、内山 真伸 教授らが、不活性な C–O/C–N 結合を切断しながら高分子合成を行う新反応を開発
2018/04/16
お知らせ 平成29年度 薬学教育評価の評価結果について
2018/04/11
受賞 薬品代謝化学教室・小松徹特任助教、有機合成化学教室・相馬洋平グループリーダー(講師相当)が、平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の若手科学者賞を受賞
2018/04/06
プレスリリース 蛋白構造生物学教室の大戸梅治准教授、石田英子特任研究員、清水敏之教授らが、微生物のDNAを感知する自然免疫受容体Toll様受容体9(TLR9)が2種類のDNAによって活性化する機構を解明
2018/03/29
プレスリリース 小幡史明助教、津田(櫻井)香代子特任研究員、三浦正幸教授らが、食物栄養由来のアミノ酸代謝物SAMが腸組織の恒常性に寄与することを発見
2018/03/23
受賞 井上将行教授(有機反応化学教室)が、読売テクノ・フォーラム ゴールド・メダル賞を受賞
2018/03/18
プレスリリース 有機合成化学教室と機能病態学教室が共同で脳内のアミロイドβ量を減少させる光触媒を開発
東京大学

東京大学 薬友会 薬学振興会
国際フォトテラノスティクス共同研究教育拠点 東京大学 医療イノベーションイニシアティブ
ワンストップ創薬共用ファシリティセンター 創薬機構
東大アラムナイ 東京大学基金

Copyright© 2018
東京大学大学院 薬学系研究科・薬学部
All Right Reserved.
Produced by coanet

ページの上部へ↑