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2018/05/03

薬品作用学教室の八幡洋輔大学院生および池谷裕二教授らが、熟慮後の失敗が学習を促進することを発見


東京大学大学院薬学系研究科の池谷裕二教授らの研究グループは、じっくりと考えた後の失敗こそが学習を促進することを明らかにしました。本研究成果は、2018年4月25日のPLOS
ONE誌(オンライン版)に掲載され、読売新聞等のメディアでも紹介されました。

雑誌:PLOS ONE(4月25日オンライン版)
題目:Answering Hastily Retards Learning
著者:Yawata, Y., Makino, K., Ikegaya, Y.


常に変化する環境にうまく適応するためには、柔軟な判断や意思決定を行うことが必須です。そのためには、1)決定の適切さ、2)決定の迅速さ、の少なくとも二つの要素が重要です。しかしながら、実社会では、素早く下した結論が正しいとは限らないなど、2つの要素は必ずしも両立するとは限りません。そこで、両要素のどちらが学習成立により重要かを調べるために、光の手掛かり刺激を活用して2つの選択肢から正しい方を選択させる課題をラットに解かせました。ラットが選択するまでの時間(反応潜時)を測定し、各ラットの学習成績との関係を解析した結果、学習成立前の反応潜時が短い、つまり結論に早く飛びついてしまうラットほど、課題の学習成立が遅くなることを見出しました。とくに誤った選択をする場合にこの傾向が強く観察されました。また、学習過程における正解(つまり、偶然の成功)の回数は、学習速度とは無関係でした。本研究により、成功体験そのものよりも、じっくりと時間をかけて考慮したうえで失敗するほうが、学習の成立にとって重要であることが示唆されます。本研究成果は、生物の生存戦略を考える上での根本的な知見となるだけでなく、動物の個性を生み出す脳のメカニズムを解明する一端となることが期待されます。
 
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