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2018/09/20

東京大学医学部附属病院・薬剤部の池淵祐樹 助教、本間雅 講師、鈴木洋史 教授らの研究グループは、骨芽細胞に発現するRANKLが骨芽細胞分化・骨形成を促進するシグナル受容分子として機能することを初めて発見


東京大学医学部附属病院・薬剤部の池淵祐樹 助教、本間雅 講師、鈴木洋史 教授らの研究グループは、骨芽細胞に発現するRANKLが骨芽細胞分化・骨形成を促進するシグナル受容分子として機能することを初めて発見し、骨粗鬆症の新規治療標的になり得ることを示しました。本研究成果は2018年9月5日付でNature(オンライン版)に掲載されました。
 
発表論文
雑誌名:Nature
論文タイトル:Coupling of bone resorption and formation by RANKL reverse signalling
著者:池淵祐樹*,青木重樹*,本間雅*†,林円香,菅森泰隆, Masud Khan, 苅谷嘉顕,加藤玄樹,田畑泰彦, Josef M. Penninger, 宇田川信之,青木和広,鈴木洋史
(*共同筆頭著者、†責任著者)
DOI番号:10.1038/s41586-018-0482-7
論文へのリンクはこちら
https://doi.org/10.1038/s41586-018-0482-7
 
 RANKLは骨芽細胞や、骨芽細胞から分化して形成される骨細胞に強く発現する分子であり、破骨前駆細胞に発現するRANKを刺激し、破骨細胞の成熟と骨吸収の促進を行うシグナル入力分子として知られており、RANKLに対する中和抗体は骨吸収を抑制する骨粗鬆症治療薬として臨床応用されています。従来、生体内で破骨前駆細胞に対してRANKLシグナルを供給している細胞は、骨表面に局在している骨芽細胞であると想定されてきました。しかし近年、骨細胞特異的なRANKL遺伝子欠損マウスを用いた解析などから、生理的にRANKLシグナルの主要な供給源となっているのは、骨基質中に分散して存在する骨細胞であることが明らかにされました。このため逆に、骨芽細胞に発現するRANKLの生理的な役割に関しては不明瞭な状態となっていました。
 本研究グループは、骨芽細胞に発現するRANKLが、成熟途上の破骨細胞から膜小胞の形で放出されるRANKを認識するシグナル受容分子として機能しており、骨芽細胞分化の促進および骨形成の上昇に寄与していることを、RANKLの細胞内ドメインにPro29Ala変異を導入したマウスを用いた解析などから明らかにしました。さらに、RANKLの細胞外ドメインに結合してRANKへの結合を阻害すると同時に、RANKL逆シグナルの活性化を誘導できる改変抗体を創製し、骨吸収の抑制作用と骨形成の促進作用を両立させられることを、骨粗鬆症モデルマウスを用いた薬理試験で示しました。一連の結果から、骨芽細胞に発現するRANKLは、骨形成を促進するための創薬標的になり得ると考えられ、骨粗鬆症新規治療薬の開発に繋がるものと期待されます。
 
 

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