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2019/06/10

化学物質安全性評価システム構築(社会連携講座)の竹内春樹特任准教授、および薬品作用学教室の中嶋藍特任助教と伊原尚樹大学院生らの研究グループが神経回路形成の新たなルールを解明


 

化学物質安全性評価システム構築(社会連携講座)の竹内春樹特任准教授、および薬品作用学教室の中嶋藍特任助教と伊原尚樹大学院生らの研究グループは、マウスの嗅覚系を用いて、神経回路形成の新しいメカニズムを明らかにしました。本研究成果は2019年6月6付でScience誌(オンライン版)に掲載されました。

発表論文

雑誌:Science
題目:Structured spike series specify gene expression patterns for olfactory circuit formation

著者:中嶋藍、伊原尚樹、繁田麻葉、清成寛、池谷裕二、竹内春樹*(*責任著者)

発表概要

神経細胞は「神経活動」と呼ばれる電気信号を発します。この神経活動は、成熟した脳においては神経ネットワーク中にある神経細胞同士が互いに情報をやりとりする手段として使われていますが、発達期の脳においては正確なネットワークそのものを作るために使われていることが知られています。しかし、電気パルスのオン・オフで表される神経活動がどのようにして神経細胞の複雑かつ精緻なネットワークを構築しているのかについては、「神経活動の同期性にしたがって神経回路形成が行なわれる」というヘブ則が提唱されている以外には長い間謎のままでした。本研究グループは、嗅覚系をモデル系として嗅神経細胞(嗅細胞)の神経活動の観察を行い、接続先を同じくする嗅細胞の集団は同様の神経活動のパターンを示す一方で、接続先の異なる嗅細胞集団は異なる神経活動パターンを示すことを見出しました。さらに人為的に神経活動パターンを操作することで、神経活動パターンが回路構築に関わるタンパク分子(軸索選別分子)の特異的な発現を制御して嗅神経回路の形成を指令していることを発見しました。これらの結果から、嗅細胞の回路構築は、神経活動パターンという情報に基づいて行なわれることが明らかになりました。また、異なる神経活動パターンは、異なる軸索選別分子の発現を活性化したことから、多様な神経活動パターンによって個々の神経細胞の個性を反映した多様な「分子コード」を作り出すことで複雑かつ精緻な回路構築が可能にしていると考えられます。本研究成果は、2019年6月6日付けでScience誌(オンライン版)に掲載されました。 


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