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2019/12/02

生理化学教室の知念拓実特任助教・北川大樹教授らの研究グループが、中心体のないヒト細胞において分裂期紡錘体を形成する分子機構を解明


生理化学教室の知念拓実特任助教・北川大樹教授らの研究グループが、ヒト細胞において中心体に依存せずに分裂期紡錘体の二極性を派生させる分子メカニズムを解明しました。本研究成果は2019年11月29日付でThe EMBO Journal電子版に掲載されました。
 
発表論文
雑誌:The EMBO Journal
題目:NuMA assemblies organize microtubule asters to establish spindle bipolarity in acentrosomal human cells
著者:Takumi Chinen, Shohei Yamamoto, Yutaka Takeda, Koki Watanabe, Kanako Kuroki, Kaho Hashimoto, Daisuke Takao, and Daiju Kitagawa
DOI : 10.15252/embj.2019102378
論文へのリンク:https://www.embopress.org/doi/10.15252/embj.2019102378
 
発表概要
 細胞は分裂時に複製した染色体を正確に娘細胞に分配する必要があり、そのためには二極性の紡錘体形成が必須になります。哺乳類の体細胞分裂では、二つの中心体が極として機能することで二極性の紡錘体が形成されます。その一方で、中心体を持たない卵母細胞の減数分裂では非中心体性のメカニズムが働くことで二極紡錘体形成が為されます。以上のように中心体依存的・非依存的な両経路が紡錘体形成に重要であることは知られていましたが、特にヒトの体細胞分裂において、どのような非中心体性メカニズムが紡錘体の二極性派生に関わるかは明らかになっていませんでした。
 今回、本研究グループは中心体の倍化に重要なキナーゼであるPLK4を阻害することで、ヒト培養細胞において非中心体性の紡錘体を誘導し、二極紡錘体形成プロセスを解析しました。中心体除去時には染色体付近に紡錘体極因子NuMAが重合して微小管を放射上に配向し、その後、微小管の逆並行スライドを担う分裂期キネシンEg5の働きにより紡錘体の二極性が派生し、染色体の整列と分配が起こることが明らかとなりました。さらにNuMAの除去は、中心体を持たない細胞のみならず中心体を持つ細胞においても紡錘体の二極性派生に寄与することを見出しました。以上より、ヒトの体細胞はNuMAに依存した非中心体性システムと中心体に依存したシステムの協調により紡錘体の二極性を派生させることが示唆されました。
本研究の成果は、細胞分裂の基礎マシナリーや卵母細胞の減数分裂のメカニズムなど、生命システムに普遍的な分裂メカニズムの全容解明につながることが期待されます。

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