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2020/01/24

有機合成化学教室の土門憲史 博士、藤吉浩平 学部生、川島茂裕 特任講師、山次健三 助教、金井求 教授らが、セリン/スレオニンキナーゼ様のリン酸化を進行する化学触媒系を開発


有機合成化学教室の土門憲史 博士(卒業生)、藤吉浩平 学部生、川島茂裕 特任講師、山次健三 助教、金井求 教授らは、奈良先端科学技術大学院大学の畑中美穂 准教授らと共同で、水酸基を選択的にリン酸化する化学触媒反応の開発に成功しました。これにより生物学や医薬学上重要なリン酸エステル化合物を、簡便かつ高効率に合成することが可能になりました。本研究成果は、2020年1月22付けでACS Central Scienceのオンライン速報板で公開されました。
 
雑誌:ACS Central Science
題目:Catalytic Chemoselective O-Phosphorylation of alcohols
著者:Kenji Domon, Maneeporn Puripat, Kohei Fujiyoshi, Miho Hatanaka, Shigehiro A. Kawashima, Kenzo Yamatsugu,* and Motomu Kanai*
DOI番号:10.1021/acscentsci.9b01272
論文へのリンク:https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acscentsci.9b01272
 
発表概要
 タンパク質中のセリンやスレオニンのリン酸化は生物学における重要化学反応であり、また低分子のリン酸モノエステルは医薬品などの生物活性物質にしばしば含まれる構造です。そのため、複雑な分子にリン酸モノエステルを効率的に化学導入する方法は、生物学から医薬学への広い応用が期待できます。しかし、従来のアルコールリン酸化反応は、多段階を要するものや過激な反応条件を伴うものが多く、より直接的で官能基許容性の高い方法の開発が求められていました。
 本研究グループは、高エネルギーリン酸エステル構造を有し生体内でもリン酸ドナーとして働くホスホエノールピルビン酸に着目し、これに硫酸水素塩を触媒として作用させることで、医薬品やペプチドなどの構造複雑分子の水酸基を選択的かつ高収率でリン酸化できることを見出しました。本反応を用いると、例えば15残基のペプチドのセリンを選択的にリン酸化できました。これは従来の化学的リン酸化法では達成不可能な変換です。またチロシンは反応せず、セリン/スレオニンキナーゼのような選択性を示しました。さらに、本反応は前例のない硫酸―リン酸混合酸無水物を活性種として進行していることを明らかにしました。
 本研究成果は生物学・医薬学において重要な複雑リン酸モノエステルを効率よく合成することを可能にし、これらの機能解析や大量生産を容易にすることが期待されます。

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