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2020/02/15

有機合成化学教室の布施拡 大学院生、三ツ沼治信 特任助教、金井求 教授らの研究グループが、クリーンなアルコール酸化触媒システムの開発に成功


有機合成化学教室の布施拡 大学院生、三ツ沼治信 特任助教、金井求 教授らは、可視光のエネルギーを用いてアルコールから水素ガスを放出し、カルボニル化合物へと変換するハイブリッド触媒システムを開発しました。本研究成果は、2020年2月14日付けでJournal of the American Chemical Societyのオンライン速報版で公開されました。
 
雑誌:Journal of the American Chemical Society
題目:Catalytic Acceptorless Dehydrogenation of Aliphatic Alcohols
著者:Hiromu Fuse, Harunobu Mitsunuma,* and Motomu Kanai*
DOI番号:10.1021/jacs.0c00123
論文へのリンク:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.0c00123
 
発表概要
 アルコールの酸化反応は、有機合成化学における重要な反応のひとつです。中でも、アルコールから水素ガスを放出してカルボニル化合物を合成する方法は最もクリーンなアルコール酸化法ですが、従来法では100度を超える加熱などの過酷な条件が必要でした。
本研究グループは、光触媒、有機触媒、ニッケル触媒の三種の独立した触媒から構成されるハイブリッド触媒システムを開発し、室温、可視光照射条件下で水素ガスの放出によるアルコールの酸化に成功しました。このハイブリッド触媒システムは、アルコール酸素原子の根元の炭素-水素結合をラジカルで切断し、生じたラジカルをニッケル触媒が受け取って高活性な有機ニッケル種へと変換し、ここから水素放出をおこします。この触媒システムの開発により、単純な構造で入手容易なアルコールや生物活性物質などの複雑な構造を有するアルコールを、水素のみを放出しながらケトンへと変換できるようになりました。
 本研究成果は、より環境調和的な有機合成、さらには将来の水素社会の実現に向けた化学的水素貯蔵システムへの応用が期待されます。

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