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2020/05/08

機能病態学教室の富田泰輔 教授、堀由起子 講師、邱詠玟 大学院生らと、新潟大学脳研究所の池内健 教授らが、新規Aβ産生制御分子CIB1の同定に成功


機能病態学教室の富田泰輔 教授、堀由起子 講師、邱詠玟 大学院生らと、新潟大学脳研究所の池内健 教授らが、ゲノム編集技術CRISPR/Cas9システムを用いて新規Aβ産生制御分子CIB1の同定に成功し、その制御メカニズムを解明しました。また、初期AD患者脳においてCIB1の発現量が減少していることを明らかにし、CIB1の発現変動がAD発症に関与する可能性を示しました。
本研究成果は2020年4月20日付でThe FASEB Journalに掲載されました。
 
発表論文
雑誌:The FASEB Journal
題目:Identification of calcium and integrin-binding protein 1 as a novel regulator of production of Amyloid b peptide using CRISPR/Cas9-based screening system
著者:Yung Wen Chiu, Yukiko Hori, Ihori Ebinuma, Haruaki Sato, Norikazu Hara, Takeshi Ikeuchi and Taisuke Tomita
DOI: 10.1096/fj.201902966RR
論文へのリンク:https://faseb.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1096/fj.201902966RR
 
発表概要
高齢化社会といわれる現在、高齢者認知症の多くを占めるアルツハイマー病(AD)は大きな社会問題となっていますが、未だその発症メカニズムの全容解明には至っておらず、根本治療法も確立されていません。ADに特徴的で最初期に見られる病理学的所見として、アミロイドβペプチド(Aβ)の脳内での凝集・蓄積があげられます。これまでの多くの遺伝学的研究から、このAβの凝集・蓄積が神経細胞内にタウの凝集・蓄積を引き起こし、神経変性に至ることが示唆されています。そのため、Aβ産生機構の詳細な理解は、AD発症の最初期過程の解明に繋がると考えられています。
そこで、東京大学大学院薬学系研究科の富田泰輔 教授、堀由起子 講師、邱詠玟 大学院生らと、新潟大学脳研究所の池内健 教授らのグループでは、Aβ産生に関わる新規分子をCRISPR/Cas9システムを用いたゲノムワイドスクリーニングによって探索し、Aβ産生を負に制御する新規分子としてcalcium and integrin-binding protein 1(CIB1)を同定し、そのAβ産生制御メカニズムを明らかにしました。また初期AD患者脳において、CIB1発現量が低下していることを見出しました。
本研究成果は、新規Aβ産生制御メカニズムを明らかにした点で意義のある成果です。また新たなAD治療戦略の提示に繋がることが期待されます。 

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