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2020/07/23

遺伝学教室の小坂元 陽奈大学院生、小幡 史明講師、三浦 正幸教授が、全身炎症における腸内フローラの寄与を発見


東京大学大学院薬学系研究科の小坂元 陽奈大学院生、小幡 史明講師、三浦 正幸教授らの研究グループは、特定の組織に細胞壊死(ネクローシス)を誘導した場合に見られる、全身での炎症応答と寿命の短縮は、無菌条件下では強く抑制されることを示しました。さらに、腸以外の組織の壊死が発端となり、腸内フローラが変化することで、全身性の炎症応答が増悪するという、遠隔的な宿主-細菌間相互作用の一端を新たに明らかにしました。本研究成果は2020年7月21日付でCell Reports電子版に掲載されました。

発表論文
掲載雑誌名:Cell Reports
題目:Local Necrotic Cells Trigger Systemic Immune Activation via Gut Microbiome Dysbiosis in Drosophila
著者:Hina Kosakamoto, Toshitaka Yamauchi, Yoriko Akuzawa-Tokita, Kei Nishimura, Tomoyoshi Soga, Takumi Murakami, Hiroshi Mori, Kyosuke Yamamoto, Ryo Miyazaki, Akiko Koto, Masayuki Miura, and Fumiaki Obata
DOI: https://doi.org/10.1016/j.celrep.2020.107938
論文へのリンク:https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(20)30919-0
 
発表概要
 ネクローシス(細胞壊死)は細胞内にあるべき物質を周囲に放出・拡散することで炎症応答を引き起こすことが知られ、健康状態に大きな影響を与えます。しかしその詳細な分子メカニズムは明らかになっていませんでした。東京大学大学院薬学系研究科の小坂元陽奈大学院生、小幡史明講師、三浦正幸教授らは、ショウジョウバエの翅で限局的にネクローシスを誘導した時に観察される、全身性の炎症応答や個体寿命の短縮が、無菌条件下において大幅に抑制されることを見出しました。この結果は、免疫の活性化がネクローシス細胞由来の内在性因子のみならず、共生微生物によって引き起こされることを示唆します。そこで腸内細菌叢(フローラ)を解析したところ、ネクローシス誘導個体での腸内ではGluconobacterという細菌が増殖していることが明らかになりました。Gluconobacterは、通常のショウジョウバエ個体においては免疫応答を惹起しません。しかしネクローシス誘導個体においては増殖したGluconobacterが過剰な炎症応答と寿命短縮を引き起こす原因細菌種であることが示されました。本研究は、宿主-細菌間相互作用を介した病態悪化機構の一端を解明するものであり、局所壊死を発端とした全身炎症の制御に腸内細菌叢の正常化が重要なファクターとなる可能性を示唆しています。
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