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2020/09/11

遺伝学教室の山内俊敬 大学院生、三浦正幸教授、小幡史明 講師が腸内細菌によるプリン体の制御機構を発見


東京大学大学院薬学系研究科の山内俊敬 大学院生、三浦正幸 教授、小幡史明 講師らの研究グループは、加齢にともなってプリン体代謝物が増加していくこと、それが腸内細菌の一種である酢酸菌によるものであることを発見しました。酢酸菌は、腎組織における自然免疫経路を活性化することで、尿酸をはじめプリン体代謝物を増加させることを示しました。一方で、別の腸内細菌である乳酸菌は、餌中のプリン体を大幅に抑制することで、ショウジョウバエ体内のプリン体代謝物の量を減少させることも明らかになりました。
本研究成果は2020年9月11日付でiScience電子版に掲載されました。
 
発表論文
雑誌:iScience
題目:Gut bacterial species distinctively impact host purine metabolites during ageing in Drosophila
著者:Toshitaka Yamauchi, Ayano Oi, Hina Kosakamoto, Yoriko Akuzawa-Tokita, Takumi Murakami, Hiroshi Mori, Masayuki Miura and Fumiaki Obata
DOI: https://doi.org/10.1016/j.isci.2020.101477
論文へのリンク:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004220306696
 
発表概要
 加齢にともなってプリン体代謝物である尿酸が蓄積し、これが痛風を始め、糖尿病や高血圧のリスクになることが知られています。しかし、老化によってなぜ尿酸が増加するのかには、不明な点が多くありました。ショウジョウバエは寿命がおよそ2ヶ月と短く、老化研究のモデル動物として利用されていますが、加齢にともなうプリン体代謝物の増加の有無はこれまで報告がありませんでした。
 東京大学大学院薬学系研究科の山内俊敬 大学院生、三浦正幸 教授、小幡史明 講師らは、ショウジョウバエでも老化にともなってプリン体代謝物が増加すること、そしてそれが腸内細菌に起因することを見出しました。さらなる解析から、腸内細菌の一種である酢酸菌が、腎組織において過剰な炎症応答を誘導することで、プリン体代謝物を増加させることを明らかにしました。一方で、もう一つの腸内細菌である乳酸菌は、ショウジョウバエ餌中のプリン体を大幅に抑えることも明らかにしました。
 本研究は、一見関連が見えにくい腸内細菌とプリン代謝の相互作用に関する新たな生物学的知見となると同時に、老化によるプリン体代謝物上昇のメカニズムの一端を解明するものです。今後、さらなる研究によって健康寿命の延長、尿酸蓄積に関連した疾患治療開発に繋がると考えられます。
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