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2018/08/30

天然物化学教室の淡川孝義講師、阿部郁朗教授、産業技術総合研究所の新家一男 主任研究員らが、モジュール酵素の効率的反応改変法の開発に成功


東京大学薬学系研究科の淡川孝義講師と阿部郁朗教授、産業技術総合研究所の新家一男主任研究員らの研究グループは、ポリケタイドと非リボソームペプチドのハイブリッド型抗生物質を合成するモジュール酵素を、天然の構造多様化様式に沿って改変し、合成生物学の手法と組み合わせることによって、これまでにない高い収量の新規デプシペプチド生産系を構築することに成功しました。
本研究成果は2018年8月30日付でNature Communications (オンライン版)に掲載されました。
原著論文: Reprogramming of the antimycin NRPS-PKS assembly lines inspired by gene evolution doi:10.1038/s41467-018-05877-z 
論文はこちら:https://www.nature.com/articles/s41467-018-05877-z
 
ポリケタイドと非リボソームペプチドのハイブリッド型化合物はブレオマイシン、エポチロン、アンチマイシンのように抗ガン、抗菌活性を持つ医薬品として有用な活性を持つ化合物群です。その構造の複雑さにより、酵素法による新規類縁体の生産法の確立が待たれていましたが、その生合成酵素は触媒ドメインが一つのポリペプチドに連なって存在するモジュール酵素であり、その触媒は厳密に制御されていることから、酵素改変による新規物質生産は非常に困難でした。本研究グループは、アンチマイシン生合成酵素群が、共通の基質を取り込むものの、モジュールの数、触媒ドメインの構成によって化合物を作り分ける、「天然のコンビナトリアル型キメラ酵素」であることに着眼し、酵素多様化進化をコントロールし、それを微生物ホストにて機能させることによって、有機合成化学ではきわめて困難とされた、ラクトンサイズや側鎖構造の異なる新規デプシペプチドを自在に生産することに成功しました。今後、本研究の結果を元に、新規医薬品シード類縁体を、酵素法によって簡便に生産する系が構築され、創薬研究に大きく貢献することが期待されます。
 
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