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2021/01/20

有機合成化学教室の藤原侑亮 大学院生、山次健三 助教、川島茂裕 特任講師、金井求 教授らの研究グループが、細胞内エピゲノムを操作可能な化学触媒系の開発に成功


有機合成化学教室の藤原侑亮 大学院生、山次健三 助教、川島茂裕 特任講師、金井求 教授らの研究グループは、細胞内エピゲノムを操作可能な化学触媒系の開発に成功しました。本研究成果は、2021年1月19日 にPNASオンラインで掲載されました。

発表論文
雑誌:PNAS
題目:Live-Cell Epigenome Manipulation by Synthetic Histone Acetylation Catalyst System
著者:Yusuke Fujiwara, Yuki Yamanashi, Akiko Fujimura, Yuko Sato, Tomoya Kujirai, Hitoshi Kurumizaka, Hiroshi Kimura, Kenzo Yamatsugu*, Shigehiro A. Kawashima*, and Motomu Kanai*
論文へのリンク: https://www.pnas.org/content/118/4/e2019554118
DOI: https://doi.org/10.1073/pnas.2019554118

発表概要
 ヒストンは様々な翻訳後修飾を受けることでエピゲノムを構成し、クロマチン構造及び遺伝子発現の動的な制御に関与しています。ヒストン修飾の異常は、がん、腎臓・代謝疾患、精神・神経疾患、アレルギー・免疫疾患、産婦人科疾患など様々な疾患に関わるため、ヒストン修飾を人工的・化学的に導入することができれば、エピゲノム異常が関わる様々な疾患の原因解明および治療につながることが期待されています。しかし、遺伝子操作を使うことなく生細胞内においてヒストン修飾を化学的に導入し、エピゲノムに介入した例はこれまで報告がありませんでした。
 本研究グループは、生体内酵素のようにタンパク質の翻訳後修飾を触媒する化学触媒、特にヒストンに様々なアセチル化修飾を人為的に導入できる化学触媒の開発を行ってきましたが、これまで生細胞内で機能するヒストンアセチル化触媒は存在しませんでした。本研究では、これまでの化学触媒の問題点を解決し、生細胞内で機能する新しい化学触媒の開発に成功しました。さらに、本化学触媒により導入したアセチル化により、転写に関与する重要なヒストン修飾の一つであるH2BK120のユビキチン化が減少することを見出しました。 本成果は、遺伝子操作を用いずに、化学触媒により細胞内のエピゲノムに介入した世界で初めての例となります。 
 本成果により、エピゲノム異常が関わる様々な疾患の原因解明および治療につながることが期待されます。

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