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2021/01/18

薬品作用学教室の周至文 特別研究員、小山隆太 准教授、池谷裕二 教授がアストロサイトによる記憶の制御メカニズムの一端を解明


薬品作用学教室の周至文 特別研究員、小山隆太 准教授、池谷裕二 教授の研究グループは、グリア細胞であるアストロサイトの細胞内シグナルの活性化が記憶を制御することを発見しました。

本研究成果は、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America誌(1月11日オンライン版)に掲載されました。
雑誌: Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
題目: Astrocytic cAMP modulates memory via synaptic plasticity
著者: Zhiwen Zhou, Kazuki Okamoto, Junya Onodera, Toshimitsu Hiragi, Megumi Andoh, Masahito Ikawa, Kenji F. Tanaka, Yuji Ikegaya, Ryuta Koyama
DOI番号:doi.org/10.1073/pnas.2016584118
論文はこちら : https://www.pnas.org/content/118/3/e2016584118

<研究の背景>
アストロサイトは、脳を構成する主要な細胞種の一つであり、脳の恒常性と機能を維持する役割を持っています。例えば、アストロサイトは記憶の形成に影響を及ぼすということが知られていました。しかしながら、その過程を制御するアストロサイト内のシグナル伝達は十分には明らかになっていませんでした。本研究は、人為的にアストロサイトの細胞内シグナル経路を活性化させ、記憶に与える影響を検証しました。
 
<研究の詳細>
本研究では、光受容タンパク質をアストロサイト特異的に発現させ、学習の各段階において光刺激によってアストロサイトを活性化させ、それが記憶に与える影響を調べました。光刺激によるアストロサイトの活性化は記憶の形成を促進し、記憶の保持を阻害するという結果が得られました。さらに、アストロサイトの細胞内シグナル活性化が、アストロサイトから神経細胞への乳酸供給を促進させ、シナプス可塑性を誘導することで記憶を制御することを解明しました。
 
<社会的意義・今後の期待>
本研究は、アストロサイトの細胞内シグナル経路は記憶や学習に基づく動物の行動に重要な役割を担っている可能性を示唆しました。さらに、本研究で開発された光遺伝学手法は脳機能におけるアストロサイトの細胞内シグナルの役割を調べることに役立つことが期待されます。

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