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2021/01/28

生理化学教室の伊藤慶 大学院生、渡辺紘己 研究員、北川大樹 教授らが、高発癌性のMVA症候群の原因遺伝子Cep57とそのパラログが、中心小体の過剰複製を抑制することを解明


生理化学教室の伊藤慶 大学院生、渡辺紘己 研究員、北川大樹 教授らの研究グループは、染色体不安定性を伴うMVA(多彩異数性モザイク)症候群の原因遺伝子であるCep57とそのパラログCep57L1が、間期の中心小体間結合を制御することによって中心小体の過剰複製を抑制することを明らかにしました。
本研究成果は、2021年1月25日のJournal of Cell Biology誌に掲載されました。
 
発表論文
雑誌:Journal of Cell Biology
題目:Cep57 and Cep57L1 maintain centriole engagement in interphase to ensure centriole duplication cycle
著者:Kei K. Ito*, Koki Watanabe*, Haruki Ishida, Kyohei Matsuhashi, Takumi Chinen, Shoji Hata, Daiju Kitagawa
論文へのリンク: https://rupress.org/jcb/article/220/3/e202005153/211711/
DOI:10.1083/jcb.202005153
 
発表概要
 中心小体を核として形成される中心体は、適切な細胞分裂に重要な役割を果たしています。中心小体はDNAと同様に間期に一度のみ複製され、新たな中心小体(娘中心小体)は前の周期から受け継がれた母中心小体の側面に形成されます。しかしながら、中心小体複製を細胞周期あたり一度のみに制御する分子機構に関しては多くの不明点が残されていました。
 今回、本研究グループは染色体不安定性を伴うMVA(多彩異数性モザイク)症候群の原因遺伝子であるCep57(centrosomal protein 57kDa)とそのパラログCep57L1が中心小体の過剰複製を抑制することを明らかにしました。Cep57・Cep57L1の発現を抑制した細胞では形成直後の娘中心小体が母中心小体の側面から分離し、分離した中心小体の側面のそれぞれから再び中心小体が複製されました。さらにまた、過剰複製された中心小体が高頻度に染色体分配異常を引き起こすことを見出しました。
 本研究の成果は、中心小体複製の回数を制御する機構の新たな生物学的知見であるばかりでなく、中心小体増幅を原因とする癌や遺伝子疾患の発症機構の解明につながることが期待されます。


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