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東京大学大学院薬学系研究科遺伝学教室へようこそ!!


はじめに

 わたしたちヒトを含む多細胞生物のからだの構成因子である細胞は、日々、たくさんの数が生まれるだけでなく死んでいきます。これらの細胞死の多くは、単なる偶然や不測の事態による事故死ではなく、遺伝子産物を介して制御される、あらかじめプログラムされた細胞死であることがわかってきました。当研究室の研究をはじめとして、胚発生や成長老化期では、さまざまな要因により細胞死シグナルおよびその実行因子であるカスパーゼと呼ばれる酵素が活性化され、多様な生理機能を果たすことが明らかになってきました。しかし、いまだ細胞死の意義やその制御機構には多くの謎が残されています。例えば3000億もの血液細胞が毎日失われているとされていますが、これほど多くの細胞が失われるにもかかわらず、私たちの体では過不足なく失われた細胞を作りだす数の調節(定足数制御)を行っています。何が細胞死を誘導し、生体はどうやって細胞数の変化を知って数の恒常性を保つのでしょうか。これまでの研究から、発生や組織再生においても多くの細胞死が実行され、それに生体が応答する仕組みを巧みに使って組織構築をしている姿が見えてきました。そこでわたしたちは、細胞死の生理的意義とその制御機構を、現象面では発生、再生や自然免疫といった局面を中心に、機構面では細胞-組織間相互作用、代謝状態による制御、異なる細胞死様式の実行機構といった視点から、解明を目指しています。具体的なテーマとして、「組織の定足数・サイズ制御」、「発生再生時の恒常性維持と組織間相互作用」、「死細胞が周辺細胞にもたらす作用」、「発生発達期の代謝制御機構」、「哺乳類の冬眠の分子機構」、「個体行動を司る神経回路構築とその脳内状態」を対象とした研究を中心に進めています。
 遺伝学教室では、1) 生命現象を自分の視点で観察し、2) その観察結果を基に仮説をたてて証明する実験をして、3) 結果をまとめて分野をリードする概念を論文として発信する、研究をおこなっています。学会発表や論文を出すということは、世界の一流の研究者と同じ土俵にたって切磋琢磨していくということです。オリンピックの体操競技で厳しい審査員の目の前で、説得力のある技を繰り出すことと似ています。生体の中で見せるなんとも魅力的な細胞のふるまいについて四六時中思いをよせ、実験して答えを生物から聞き出すことは、新しい技を考えて練習を積むことと重なります。生物が思わず答えをもらしてしまうような実験を考えたら、それをするのが待ち遠しいですよね。もちろん、実験ですので、最初から全てが思い通りにうまく行くとは限らず、失敗も多いかもしれません。生物からの答えを聞き出すためには実験技術を磨くのはもちろんのこと、柔軟なものの捉え方と心を育て、実験とデータに対する嗅覚やセンスを研ぎ澄まさねばなりません。こうした試行錯誤により得られた生物からの答えは、当人にとっても、科学という人類の営みにとっても、かけがえのないものとなります。こうした考えのもと、遺伝学教室では細胞死を軸とした研究から、魅力的な生命現象や病態を新しい視点で捉えるべく研究を進めています。



News (Last update: 2018.1.12)



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・山口良文 准教授が北海道大学低温科学研究所に異動しました。(2018.1.4)

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小幡史明 助教が着任しました。(2017.10.1)

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古藤日子助教が産業総合研究所に異動しました(2017.4.1)

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千原崇裕 准教授が広島大学大学院理学系研究科に異動しました(2016.3.28)。

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