4. 哺乳類発生における代謝変化の意義

 エネルギー代謝は生命を支える根源的な活動であり、細胞はその生理機構に応じた代謝経路を備えている。近年、代謝経路そのものが、細胞増殖・細胞死・細胞分化にとって非常に重要な意味を持つことが再認識されている。しかし、こうした代謝経路が細胞種ごとに発達する仕組み、つまり正常発生過程でいかに代謝経路が編成されていくのかという点は、近年の発生学の劇的な進展にもかかわらず、方法論の限界や問題設定のあり方により、未解明な点が多く残されている。わたしたちは、哺乳類胚発生初期から中期にかけて、エネルギー代謝経路の大幅な再編成が生じていることを見出した。この期間は、母体と胎児の間の胎盤接続が強化される時期であり、この接続異常は発生異常や流産につながるため、哺乳類胚発生において非常に重要な時期といえる。しかし、胚および母体の代謝経路がこの期間にどのように変化するのかについても、未だ不明な点が多い。これらの機構の解明は、妊娠初期から中期における種々の発生異常や母体環境変化の影響の理解に大きく貢献すると考えられる。現在、胚の代謝変化の様式およびその生理的意義の解明を目指し研究を行っている。同時に、母体側の代謝変化と胚発育に与える影響についても研究を進めている。


マウス組図.002


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