教育の概要

臨床薬学教室では5学期講義「病理学」を通じて疾患・病的現象に関する基礎知識を学部学生に与え、7学期講義「臨床医学概論」では一線の臨床医・臨床研究者からなる講師陣により薬物療法を含めた臨床医学の現状を伝えている。薬理・病理系の薬学実習Vでは顕微鏡を通して自らの目で組織・細胞のかたちを体得する「形態学」経験の機会を提供している。大学院学生の教育では「臨床薬学特論」を担当し、疾患基礎研究や神経科学分野の最新知識を幅広く伝えることに努めている。また大学院「医療薬学コース」の運営の中心となり、東大病院臨床各科での見学実習を中心に、他教室の大学院生を含めて指導を行っている。

入室者に対しては、疾病という多面的で複雑な対象を扱うことから、まず病気を有するヒト個体・組織・細胞においていかなる変化が生じているのかを巨視的、微視的両レベルで正確に観察・把握し、本質的な問題点を見抜き、あらゆる手法を動員してその解明にあたるという姿勢を修得させることをモットーとしている。研究手法も一方法に偏らず、形態学、生化学、細胞生物学、分子生物学などの様々な方法を必要に応じて利用できるよう配慮している。疾患の本質解明には、関連する分子細胞生物学、臨床医学の最新知識を幅広く身につけた上で、自らの研究に応用できることが重要であり、抄読会などを通じてその徹底を図っている。特にラボでの実験的研究のみにとどまらず、新入室生に対しては痴呆専門病院の見学会を行い、生きた患者さんの療養現場を体験させる機会をもっている。