自己点検・評価
研究室では、研究概要の項に記載されているように、医薬品の体内動態支配要因の解析および生体膜透過機構の解明を行っている。個体レベルでの現象の本質(機構)を理解するために、臓器・細胞・蛋白・遺伝子レベルへと遡る解析的な研究を行うと共に、遺伝子レベルから個体レベルへの定量的な再構築を行うための方法論の開発を行っている。
当研究室の研究が外部から評価されている目安として、招待講演、外国雑誌からの招待proceedingの多さを挙げることができる。国内での招待講演も、薬学会、薬物動態学会、薬剤学会のような当研究室の中心学会に限らず、薬理学会、生化学会、癌学会、肝臓学会、腎臓学会など多岐にわたる。国際会議での招待講演の数は、杉山のみで2005年のみで12回に至る。1997年までは、これら招待講演の2/3以上が、薬物体内動態の予測法、あるいはドラッグデリバリーシステムに関するものであったが、ここ7-8年間においては、トランスポーターに関する基礎科学(生物学的意義を細胞生物学、分子生物学的手法により研究する)や、トランスポーター研究が医薬品開発において果たす役割について講演する機会が増えていることが特徴として挙げられる。これは、当研究室の目指す”基礎研究と応用研究を統合・融合させる”という目標に近づいている指標であると考えている。研究成果が発表されている雑誌をみても、薬学領域の雑誌であるPharm. Res. 《米国薬学会のofficial journal》、J. Pharm. Sci.、Drug Metab. Dispos.、薬理学領域の雑誌であるJ. Pharmacol. Exp. Ther.、Mol. Pharmacol.、Pharmacogenetics、生理学領域の雑誌であるAm. J. Physiol.、Hepatology、J. Am. Soc. Nephrol、Endocrinology、生化学、分子生物学領域の雑誌であるJ. Biol. Chem.など多岐にわたる点が当研究室の特徴である、多角的な視点から研究を遂行するという目標に近づいていると思われる。その研究報告は、非常に多方面の研究者から引用されており、例えば、薬物の胆汁排泄能を欠損したEHBRにおいてその原因が、cMOAT遺伝子のナンセンス変異による蛋白の欠損であることを初めて実証した報告(Ito K, Am J Physiol (1997))は今日までに199回引用されており、生理学領域で権威ある雑誌において歴代被引用数上位の論文として、Am. J. Physiol.のHomePageに掲載されている。さらに杉山は、ISI Essential Science Indicators(ESI), Thomson ScientificのWEBに掲載された情報によるとPharmacology & Toxicology の分野で1995年1月1日―2005年8月31日の10年間の間に総論文が総引用回数4,131回で世界第2位となった。また、AAPS Pharm. Sci.など多くの国際誌の編集委員も務めている他、国際薬学連合(FIP)のImmediate Past ChairやPharmaceutical Sciences World Congress (PSWC 2007) の Scientific Advisory Committeeに名を連ねている。さらに2006年からは国際動態学会(ISSX)と日本薬物動態学会(JSSX)の会長を務めることになっているなど、多くの学会の運営に関わっている。
また、幾つかの国家プロジェクトの代表者、プログラムオフィサー、ディレクターの役割を果たしている。
| 2002-2006 |
21世紀COEプログラム 生命科学分野 “戦略的基礎創薬科学” |
| 2002-2006 |
21世紀型革新的ライフサイエンス技術開発プロジェクト;
「テーラーメード医療基盤整備プログラム」 薬物解毒系および情報伝達系の遺伝的多型に基づく薬物反応性の個人差の解析 |
| 2005- |
文部科学省「社会のニーズを踏まえたライフサイエンス分野の研究開発―分子イメージング研究プログラム」 プログラムオフィサー(PO) |
| 2005- |
NEDOプロジェクト 「モデル細胞を用いた遺伝子機能解析技術開発/細胞アレイ等による遺伝子機能の解析技術開発」プロジェクトリーダー |
当研究室の研究が、この領域における世界の研究の流れを作っているという自負をもってスタッフおよび学生も研究に取り組んでおり、今後もこの流れを継続、発展させていきたいと考えている。
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