バラの木にバラの花咲く
―杉山雄一教授のこと―
名古屋市立大学名誉教授 渡邉 淳
「バラの木にバラの花咲く」の続きは「何事の不思議なけれど」であったと思うが、杉山雄一教授の場合は、「何事の不思議なし」となってしまうような気がする。
今回の杉山教授の米国薬学会賞受賞はわが国の科学者の国際化の成果の一端を示すものであると思われる。杉山教授自身、早くから国際化の重要性を唱えてきた。今回の受賞と直接は関係しないと思われるが、私が関係した日本薬物動態学会(JSSX)でも、先生は学会の国際化を推進する強力なメンバーであった。
日本薬物動態学会は加藤隆一先生をはじめ諸先生方が会員数300名ほどの学会から現在の2000名を越える学会に育成されものであるが、私が会長の時、鎌滝哲也北大教授や杉山教授がこの学会の国際化のために、それまでのアルバイトの方々にお願いしていた事務局を閉鎖し、殆ど時を同じくして、発行していた和文の学会誌「薬物動態」を英文のDMPK(Drug Metabolism and Pharmacokinetics)に衣替えするという案を計画実行することになった。その相談の会の何回かは、夜の杉山教授室で開かれ、参加したのは昨年末まで動態学会の会長を務め当時副会長の鎌滝教授、林正弘東京薬科大学教授、大塚現事務局長であった。学会の国際化対応に関する鎌滝、杉山教授の立案指導力や大塚氏の周到な遂行能力には目を見張るものがあった。また、ただただ驚いたし今でも驚いているのは、林正弘教授の学会誌編集委員長としての実行力である。林教授は本職の大学での激動期の薬学部長を務めながら、和文の学会誌の英文化を成し遂げてくれているのである。そのような背景で、鎌滝教授の強い力もあって、杉山教授が次期のISSX(国際薬物動態学会)の会長に選出されたことも記憶に新しいところである。
と言うわけで、「バラの木にバラの花咲く」は「何事の不思議なし」となってしまうのである。杉山教授達にはさらに国際的な賞を狙ってもらいたいと思っている。(2004年1月5日 記)


渡邉先生(右端)