研究概要
1. 生理学的薬物速度論モデルによる薬物体内動態予測法の確立
2. 薬物の血液脳関門および血液脳脊髄液関門透過機構の解明、および脳内動態予測法の確立

3. 薬物の肝臓への取り込み、胆汁排泄機構の解明

4. 薬物間相互作用の解析

5. 肝、腎、脳、癌へのドラッグデリバリーシステムの開発

6. トランスポーターに関する情報検索データベース(T-search)の構築

7. 小胞体ストレスを起源とした細胞死に促進的に働く因子の同定とその機能解析

6.トランスポーターに関する情報検索データベース(T-search)の構築
 

 
近年、薬物トランスポーターが多数クローニング、機能解析されており、世界的にトランスポーター研究が急速に展開されている。研究の進展につれて、製薬企業における創薬プロセスにおいても、薬物動態を決定する因子としてのトランスポーターの重要性が認知されつつあるが、現状では文献情報が氾濫しており、命名法や実験法も多様化してきたため、必要な情報だけを種々の角度から検索して、簡便に抽出できるデータベースの構築が切望されていた。そこで、数年前より、ファルマシア株式会社(小沢直記博士(現:ワイス株式会社))、早稲田大学理工学総合研究センター(濱義昌教授)、日本ビジュアルサイエンス株式会社(滝克彦氏)と当教室の共同研究により、薬物トランスポーターの情報検索サイト”T-search”が構築された (URL: http://www.ilab.rise.waseda.ac.jp/transdb/)(図8)。本サイトには、各種薬物トランスポーターの基質、臓器分布・局在、薬物間相互作用に関する情報について掲載されている。また、個々の情報とPubMedの文献データベースが直接リンクされており、より詳細な情報もすぐに入手可能になっている。トランスポーターに関するデータベースでは、データ量、質共に世界最大級であると自負している。今後も、定期的なupdateを行い最新の情報を提供できるよう努力する一方、発現変動、遺伝子変異などより多彩な情報を掲載していくべく、教官・学生および株式会社CAC(代表:松井一氏)の協力を得て目下拡充を行っている。

図8 トランスポーターに関する情報検索データベース(T-search)