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薬学部概要
薬学における東大薬学部
薬学は医学とともに疾病の治療と健康の維持を目標とする自然科学であり、医薬の創製、生産、管理、適用ならびにそれを受ける生体の仕組みの解明を目的としてこれに必要な基礎学を動員体系化した総合科学である。医学が主として人間を扱い、薬学は、ヒトのモデルとして動物および物質を扱い上記目標に迫ろうとするものである。一方、近年種々の生物現象ないし医学上の諸問題が分子レベルで解明されつつあり、またバイオテクノロジーの急速な進歩と相俟って、化学と生物学に基礎をおく薬学出身者の活動範囲はますます拡大する傾向にある。
こういった中で東大薬学部では、常に優れた医薬の創製と生産を念頭におきつつ生命科学の学問的な基礎を教授し、生命現象を物質的側面から理解し、解明して行く方向の幅広い研究を行っている。生命の神秘に感動し、それをより豊かな人間社会の建設に向けて役立てて行こうとする諸君にとっては魅力ある学部であろう。21世紀をむかえて、医療チームの一員としての病院薬剤師(薬の専門家)の果たすべき役割にも期待が集まっている。当学部においても少数ではあってもこのような人材の養成を視野に入れていることを附記しておく。