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教室紹介

薬学 - 創薬学

研究科長・学部長 浦野 泰照
副研究科長 後藤 由季子
副研究科長 富田 泰輔
教育研究評議員 後藤 由季子
 
 
(2025.5.1現在)
:薬科学専攻長
:薬学専攻長
各教室のホームページは各教室の責任で運営されています。
 

薬品代謝化学

https://taisha.f.u-tokyo.ac.jp
教授:浦野 泰照
准教授:小松 徹
助教:上野 匡・橘 椋・内山 聖一
特任助教:KELLER SASCHA GEORG

Chemical Biologyを駆使して、新たな生命現象解析・画期的な新医療技術創成を実現する

研究課題
  1. 蛍光・増感・ケージドプローブの論理的デザイン法の確立を目指した光物理有機化学研究
  2. 新規光機能性プローブの開発とその細胞生命現象解析への応用
  3. 動物体内でのin vivo病態可視化・動的制御を実現する光機能性プローブ・MRIプローブの開発
  4. 微小がんの術中迅速可視化・治療を実現する光機能性プローブの開発と新医療技術創成
  5. 蛍光プローブを活用した創薬及び創薬標的の探索に関する研究
 
 生体内で起こっている複雑なシステムの動的な変化を捉えるイメージング手法は、生命現象の根底を解明するための要素技術の一つとして、近代の生命科学研究において重要な役割を演じています。私たちは、有機小分子を精密に分子設計することで独自のケミカルツールを創製し、これまで直接見ることができなかった現象を可視化して、生命現象をより深く理解することに挑んでいます。同時に、細胞・個体の様々な応答を操るケミカルツールを開発することで、より包括的に生物現象を理解することも目指しています。
 また私たちは全く新たな臨床医療技術の創成を目指して、独自の切り口によるケミカルバイオロジー研究も展開しています。例えば固相合 成法を用いた効率的な有機合成スキームの開発によって様々な基質部位を有する数百種に及ぶ蛍光イメージングプローブライブ ラリーを構築し、がんの腫瘍選択的可視化 に有望な蛍光プローブや創薬のための新た なバイオマーカー酵素の発見を可能としました。これを基盤とし、外科手術、内視鏡手術時に、疾患部位を迅速可視化するケミカルツールを多数開発しています。さらに 開発したツールが真に実用的であることを 検証するために、日本国内や諸外国の20以 上の臨床医グループと臨床蛍光イメージングネットワークを形成し、密接な共同研究を展開しています。
 以上のように、新たな生命現象解析を目指した化学-生物連携研究、画期的な新医療技術創成を目指した医薬連携研究を、兼務先である本学医学部生体情報学分野の教室員も交えながら、日夜行っています。
 

 

 

蛋白構造生物学

https://kouzou.f.u-tokyo.ac.jp
教授:清水 敏之
助教:平野 良憲・張 志寛

酵素などのタンパク質や核酸の機能と生体での役割を三次元構造に基づいて解明する

研究課題
  1. クライオ電子顕微鏡による単粒子構造解析およびX線結晶解析による蛋白質など生 体高分子の三次元構造解析
  2. 生体高分子(とくに,自然免疫に関わるタンパク質や翻訳後修飾に関わるタンパ ク質、およびシグナル伝達に関わるタンパク質)の構造と機能の研究
  3. 生体高分子とその活性制御化合物との複合体構造に基づく分子設計
  4.  三次元構造に基づく分子間相互作用の研究

 構造生物学は、タンパク質や核酸などの三次元構造に基づいて、その活性、機能、物性、相互作用、生体での役割などの諸現象を解明する研究分野です。私たちの研究室では構造生物学を専門とし、「タンパク質をはじめとする生体高分子ならびにその複合体の立体構造を原子レベルで決定することによって、その分子機能と関連する生命現象を理解すること」を研究目標としています。この研究を行うための手法としては巨大分子量のタンパク質の三次元構造を詳細に解析できるクライオ電子顕微鏡による単粒子構造解析およびタンパク質X線結晶構造解析を中核にし、物理化学的な解析や生化学、分子生物学、遺伝子工学的な手法を駆使します。また低分解能ながらも分子の外形や物性を決定できる小角散乱法も積極的に取り入れています。このようにして得られた三次元構造情報を通した理解が生命科学研究に必要不可欠なものであると我々は考えています。同時に、三次元構造は医薬創製の面でも欠かすことのできない重要な情報として認知されています。                       このような研究の基盤と目的のもとに、自然免疫応答に関与するタンパク質による病原性リガンドの認識機構や活性化機構の解明、シグナル伝達に関わるタンパク質や翻訳後修飾に関わるタンパク質の構造生物学的な研究を進めています。 
1.自然免疫に関わるTLR8とリガンドとの複合体構造
1.自然免疫に関わるTLR8とリガンドとの複合体構造 
2.核内レセプターVDRとリガンドとの複合体構造
2.核内レセプターVDRとリガンドとの複合体構造 

免疫・微生物学

https://meneki.f.u-tokyo.ac.jp
教授:堀 昌平
准教授:瀬戸口 留可
助教:中島 啓・村上 龍一

免疫システムの制御原理を解き明かす

研究課題
  1. 免疫寛容と免疫恒常性の確立・維持メカニズム
  2. 制御性T細胞分化と機能のメカニズム
  3. メモリーCD8 T細胞の恒常性維持メカニズム

 免疫系は、「自己」「非自己」を識別し、生体の恒常性を維持するシステムとして進化してきました。免疫系における「自己」は、遺伝的な支配を受けつつも、時々刻々変化する外部・内部環境と相互作用しながら適応的に形成され、変容してゆきます。免疫系がどのようにして「自己」に対する「寛容」を確立・維持してゆくのかという問題は免疫学における中心的課題の一つであり、この免疫寛容機構の破綻は自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー、がん、慢性感染症など様々な疾患の発症に関係するため、医学的、薬学的にも重要な問題です。当研究室の目標は、このダイナミックな「自己」の形成、変容の原理を解明し、その変容の一形態として様々な疾患を理解することです。
 近年、「自己」に対する免疫寛容と免疫恒常性の獲得・維持において、制御性T細胞(regulatory T cells; Treg)と呼ばれるT細胞亜集団が中心的な役割を担っていることが明らかにされてきました。当研究室は、Tregを介した制御システムの動作原理を、分子(遺伝子)、細胞、細胞集団、組織、個体にわたる様々な階層を通して解明すべく、主にマウスを用いた遺伝学的、免疫学的、分子生物学的、生化学的手法を用いて研究しています。
免疫系による「自己」「非自己」識別の破綻は様々な疾患に関係している
免疫系による「自己」「非自己」識別の破綻は様々な疾患に関係している  
Foxp3陽性制御性T細胞(Treg)は免疫寛容・免疫恒常性の維持に必須の役割を担う
Foxp3陽性制御性T細胞(Treg)は免疫寛容・免疫恒常性の維持に必須の役割を担う  

(定量研)応用免疫学

教授:新藏 礼子

抗体の多様性獲得機構と 抗体による腸内細菌制御機構の解明

研究課題
  1. 腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構の研究
  2. 体細胞突然変異機構の分子レベルでの解析
  3. IgAへ選択的にクラススイッチさせる誘導物質の探索 
 免疫システムのなかでもBリンパ球が産生する抗体に注目して研究を進めています。抗原刺激を受けるとBリンパ球はactivation-induced cytidine deaminase (AID)という酵素を発現し、抗体の抗原結合力を変化させる体細胞突然変異とともに、抗体の攻撃力を変えるクラススイッチが誘導されます。両者は感染防御に重要な役割を担っておりともにAIDが必要で、AIDによるDNA切断が引き金となって抗体遺伝子に変異が導入されます。DNA変異はゲノム安定性に対する大きな危険要素となり、これがうまくコントロールされないと細胞のがん化を引き起こします。私たちは体細胞突然変異だけが特異的に障害されるAID変異体を見つけ、これを手掛かりに体細胞突然変異の分子メカニズムを明らかにします。同時に、新しい抗体を作るメカニズムを探りながら、基礎研究の成果を病気の治療に役立てることを目指します。
<主な研究テーマ>
1)腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構の解明
   腸管のIgA抗体は多彩な腸内細菌叢の何を識別して制御するのかを明らかにします。
2)体細胞突然変異機構の分子レベルでの解析
     遺伝子に能動的に変異を入れる機構がどのように制御されるのかを明らかにします。
3)IgAへ選択的にクラススイッチさせる誘導物質の探索
     アレルゲンに対してIgEではなくIgAをを選択的に作れればアレルギー反応のかわりに粘膜防御に役立つはず、というアイデアを応用へと  つなげます。

(社会連携講座)分子腫瘍薬学

https://bunshiyakugaku.f.u-tokyo.ac.jp
教授(兼):堀 昌平
特任准教授:榎本 豊

造血幹細胞と造血器腫瘍の研究から新たな治療法の開発に向けて

研究課題
  1. 薬剤耐性機序の解明
  2. 薬剤併用療法の開発
  3. 悪性腫瘍治療における免疫活性化療法
  4. クローン性造血におけるT細胞機能の解明
 
 本研究部では薬剤耐性機序の解明と薬剤耐性を克服するための併用療法の開発を目指す。Crispr-Aで任意遺伝子の発現を活性化した細胞を薬剤存在下で培養し、どの遺伝子の発現が上昇すると薬剤抵抗性になるかを明らかにする。またこの方法で同定した遺伝子群のパスウェイ解析を行うことによって薬剤の耐性機序や作用機序を明らかにする。  
 上記の方法で耐性機序を明らかにして、併用療法を考案する。現在、HDAC阻害剤やDNAメチル化阻害剤について興味深い研究成果を得つつある。今後は他の薬剤についても研究範囲を広げていく予定である。         
 悪性腫瘍の治療に免疫チェックポイント阻害剤が有効であることが注目されている。我々のグループでは、G0マーカーマウスを利用して、1)治療後の慢性骨髄性白血病(CML)の白血病幹細胞がG0期にありPD-L1を発現していること、2)IRAK阻害剤がPD-L1発現を抑制してチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の治療効果を増強すること、3)TKIとPD-L1抗体の併用がマウスCMLモデルに対して劇的な相乗作用をもたらすことを報告した。悪性腫瘍の治療には免疫活性化は極めて重要な戦略であり、薬剤の併用療法との組み合わせも含めて有効な新規治療の開発を目指す。     
 一方、健常高齢者の1割に白血病関連遺伝子変異を1つ有するクローン性の造血(CH)が存在することが注目されている。CHを有する人は造血器腫瘍の発症率が通常の10倍であり、前白血病状態と言える。興味深いことに、CHでは動脈硬化性疾患の発症頻度が約2倍高く、癌患者の4人に1人がCHを有し、CHを有する癌患者の予後は有意に悪い。我々はCHの遺伝子変異を有するT細胞の機能異常が原因である可能性を考えて研究を進める。

東京大学

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東京大学 医療イノベーションイニシアティブ
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