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2023/01/23

天然物合成化学教室の今村祐亮博士、高岡恭兵大学院生、小森優真大学院生、長友優典講師、井上将行教授が、抗がん剤タキソールの全合成を達成


 東京大学大学院薬学系研究科 天然物合成化学教室の今村祐亮博士、高岡恭兵大学院生、小森優真大学院生、長友優典講師、井上将行教授は、複雑かつ特異な縮環構造を有する抗がん剤タキソールの全合成を達成しました。本研究成果は、2023年1月19日付で、化学分野の総合学術雑誌である[Angewandte Chemie International Edition]電子版に掲載されました。

掲載雑誌:Angewandte Chemie International Edition
論文題目:Total Synthesis of Taxol Enabled by Inter- and Intramolecular Radical Coupling Reactions
著者:Yusuke Imamura, Kyohei Takaoka, Yuma Komori, Masanori Nagatomo, and Masayuki Inoue*
DOI番号:10.1002/anie.202219114
論文へのリンク: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.202219114

発表概要
 タキソール(パクリタキセル)はタイヘイヨウイチイの樹皮より単離された天然物です。本天然物は顕著な抗がん活性を示し、乳がん、卵巣がん、肺がんなどの治療薬として、広く臨床利用されています。その強力な抗がん活性は、特異な炭素骨格上の多数の極性官能基の三次元的配列に起因します。タキソールは構造的特徴として、6/8/6員環が高度に縮環した3環性炭素骨格上に、歪みのかかった橋頭位オレフィンやオキセタン環、8つの酸素官能基および9つの不斉中心を有することが挙げられます。このように複雑な三次元炭素骨格上に、多数の酸素官能基が密集した天然物を有機合成化学的に組み上げていくことは極めて困難であり、タキソールの全合成は有機合成化学上、極めて挑戦的な課題です。
 今回、本研究グループは、分子間および分子内でのラジカル反応を活用してタキソールの複雑な分子骨格を高効率的に構築し、タキソールの全合成を総34工程で達成しました。
 ラジカル反応を基盤とした本全合成は天然物合成化学における新たな戦略を提示するものです。また、多数の酸素官能基で修飾された複雑な構造の中間体にも適用可能な本合成戦略は、他の多くの複雑天然物の全合成へと応用展開可能であり、創薬における有機合成化学の進化を加速することが期待されます。
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