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2025/04/13

野崎多実子 大学院生(研究当時)、小野田真由 大学院生、幅崎美涼 大学院生、竹内悠馬 大学院生、川島茂裕 准教授、金井求 教授らの研究グループが、ヒストンの様々な位置を選択的にアセチル化できる化学触媒の開発に成功


有機合成化学教室の野崎多実子 大学院生(研究当時)、小野田真由 大学院生、幅崎美涼 大学院生、竹内悠馬 大学院生、川島茂裕 准教授、金井求 教授らの研究グループは、ヒストンの様々な位置を選択的にアセチル化できる化学触媒の開発に成功しました。本研究成果は2025年4月13日付でJournal of the American Chemical Societyウェブサイトに掲載されました。
 
掲載雑誌:Journal of the American Chemical Society
論文題目:Designer Catalyst-Enabled Regiodivergent Histone Acetylation
著者:Tamiko Nozaki#, Mayu Onoda#, Misuzu Habazaki, Yuma Takeuchi, Hisashi Ishida, Yuko Sato, Tomoya Kujirai, Kayo Hanada, Kenzo Yamatsugu, Hitoshi Kurumizaka, Hiroshi Kimura, Hidetoshi Kono, Shigehiro A. Kawashima*, and Motomu Kanai* (#co-first authors, *co-corresponding authors)
DOI番号: 10.1021/jacs.5c01699
論文へのリンク: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.5c01699
 
発表概要
 「ヒストンコード」とは、ヒストンに付加される複数の化学修飾(翻訳後修飾)の組み合わせパターンのことで、クロマチンの構造や遺伝子の発現を調節する重要な役割を果たしています。これらのエピジェネティックな目印の機能を明らかにするには、生きた細胞内でヒストン修飾を位置選択的に導入できるツールが必要です。
 本研究では、ヒストンH2B上の3つの異なるリシン残基(K43、K108、K120)をそれぞれ選択的にアセチル化する、位置選択的な化学触媒を設計・開発しました。触媒とヌクレオソームの複合体に対する分子動力学シミュレーションと、化学触媒構造の実験的な最適化を組み合わせることで、位置選択性を達成するための化学触媒の設計原理を明らかにしました。具体的には、触媒活性部位が動ける範囲から標的としたくない反応性の高いリジン残基を除外しつつ、標的としたいリジン残基に触媒活性部位を近づけることが重要であることが分かりました。さらに、生化学的・細胞レベルでの解析から、それぞれのリジン残基のアセチル化が、ヌクレオソームと相互作用する分子の結合親和性や活性、さらには細胞運命に対して異なる影響を与えることが判明しました。
 本研究の成果は、位置選択的なヒストンアセチル化触媒を設計するための基盤を提供し、ヒストン修飾による遺伝子制御メカニズムの理解をさらに深めるものです。

2025/04/13
プレスリリース 野崎多実子 大学院生(研究当時)、小野田真由 大学院生、幅崎美涼 大学院生、竹内悠馬 大学院生、川島茂裕 准教授、金井求 教授らの研究グループが、ヒストンの様々な位置を選択的にアセチル化できる化学触媒の開発に成功
2025/04/07
プレスリリース 劉紫昀 大学院生(研究当時)、川島茂裕 准教授、金井求 教授らの研究グループが、Texas A&M大学 Jonathan T. Sczepanski 教授の研究グループと共同で、ヒストン修飾とDNA修復の新たな関係の解明に成功
2025/03/31
プレスリリース 基礎有機化学教室の滝谷悠太大学院生、齋藤大河大学院生、鳥海尚之講師、内山真伸教授の研究グループが、フタロシアニン類縁体の新規合成手法を開発
2025/03/26
プレスリリース ワンストップ創薬共用ファシリティセンターの岡部弘基特任准教授、京都工芸繊維大学・外間進悟助教、大阪大学・原田慶恵教授らの共同研究チームがカーボン量子ドット(CQD)を用いた新しい蛍光ナノ温度計を開発
2025/03/18
プレスリリース 有機合成化学教室の有井優 大学院生、于 宗瀚 大学院生、陳 虹宇 大学院生(研究当時)、三ツ沼治信 助教、金井求 教授らの研究グループが、石油資源アルケンから医薬品の重要構造である第三級アルコールを効率的に構築する触媒システムの開発に成功
2025/02/25
プレスリリース 定量生命科学研究所の鯨井智也 助教、越後谷健太 特任研究員、胡桃坂仁志 教授による研究グループは、本研究科分子生物学教室の岸雄介 講師(研究当時)、後藤由季子 教授とともに、がんタンパク質による遺伝子制御の仕組みを発見
2025/02/17
プレスリリース 蛋白質代謝学教室の王妍 大学院生(研究当時)、王漪 大学院生、濱崎純 講師、村田茂穂 教授らの研究グループがジストニア原因遺伝子の機能を解明
2025/02/12
プレスリリース 有機合成化学教室のBenjamin D. A. Shennan研究員、福田智之 大学院生、山根三奈 大学院生、小山喬 学部生(研究同時)、三ツ沼治信 助教、金井求 教授らの研究グループが、チロシンを選択的にリン酸化する化学触媒法(STAR反応)の開発に成功
2025/02/04
プレスリリース 生理化学教室の伊藤慶 特任研究員(研究当時)、畠星治 特任講師、北川大樹 教授らの研究グループが、中心小体の結合・分離のサイクルを解明
2025/01/24
プレスリリース 有機合成化学教室の山梨祐輝 助教、高丸慎平 大学院生、川島 茂裕 准教授、金井 求 教授らの研究グループが、がん細胞の遺伝子転写を変化させる化学触媒の開発に成功
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