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2026/03/05基礎有機化学教室の宮本和範 准教授(研究当時)、内山真伸 教授らが新しいホウ素クラスターの合成技術を開発
基礎有機化学教室の宮本和範 准教授(研究当時:現・慶応義塾大学薬学部教授)、内山真伸 教授の研究グループは、信州大学繊維学部の木村睦 教授、北沢裕 博士(本学卒業生)の研究グループらと共同で、ホウ素中性子捕捉療法のホウ素薬剤などとして期待されるカルボランアニオンの炭素頂点に様々な官能基を導入する新反応の開発に成功しました。本研究成果は、2026年3月5日付でJournal of the American Chemical Societyウェブサイトに公開されました。
雑誌名 : Journal of the American Chemical Society
題 目 : Copper(I)-Mediated Direct C–H Functionalization of Carborane An-ion: One-Pot Installation of Amino, Hydroxyl, Carbon and Other Heteroatom Functional Groups at the C1 Vertex
著 者 : Yu Kitazawa,* Yuhi Ito, Kazunori Miyamoto, Masanobu Uchiyama* and Mutsumi Kimura*
DOI : 10.1021/jacs.5c18673
論文へのリンク : https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.5c18673
研究発表の概要
カルボランアニオンは、11個のホウ素(B)と1個の炭素(C)を頂点とする正20面体という美しい形をした分子です。1つの分子の中に11個のホウ素原子が詰まっており、これが医療応用で大きな強みになります。例えば、最先端のがん治療の一つであるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)への応用が期待されています。この治療法の成功のカギは、いかに多くのホウ素を、効率よくがん細胞に届けるかにあります。そこで注目されているのがカルボランアニオンです。従来のBNCT薬剤は1分子にホウ素が1〜2個程度しか含まれていません。一方、カルボランアニオンは1分子に11個ものホウ素を含んでいます。つまり、カルボランアニオンを用いれば同じ量の薬剤でも、はるかに多くのホウ素をがん細胞に届けることができます。さらにカルボランアニオンは化学的安定にも優れ、体内の酵素や免疫システムによって分解されにくい性質も持っています。これにより、投与したホウ素を高効率でターゲット部位まで届けることが期待できます。残された課題は、がん細胞だけを狙い撃ちするための「目印」をカルボランアニオンに付与することでした。
本共同研究グループは、カルボランの炭素原子頂点に、銅元素の酸化還元特性を利用して、様々官能基を導入する手法の開発に成功しました。本成果は、BNCT薬剤を含む、カルボランアニオンを基盤とした機能性材料や医薬品創製に新たな手段を提供するものです。
雑誌名 : Journal of the American Chemical Society
題 目 : Copper(I)-Mediated Direct C–H Functionalization of Carborane An-ion: One-Pot Installation of Amino, Hydroxyl, Carbon and Other Heteroatom Functional Groups at the C1 Vertex
著 者 : Yu Kitazawa,* Yuhi Ito, Kazunori Miyamoto, Masanobu Uchiyama* and Mutsumi Kimura*
DOI : 10.1021/jacs.5c18673
論文へのリンク : https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.5c18673
研究発表の概要
カルボランアニオンは、11個のホウ素(B)と1個の炭素(C)を頂点とする正20面体という美しい形をした分子です。1つの分子の中に11個のホウ素原子が詰まっており、これが医療応用で大きな強みになります。例えば、最先端のがん治療の一つであるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)への応用が期待されています。この治療法の成功のカギは、いかに多くのホウ素を、効率よくがん細胞に届けるかにあります。そこで注目されているのがカルボランアニオンです。従来のBNCT薬剤は1分子にホウ素が1〜2個程度しか含まれていません。一方、カルボランアニオンは1分子に11個ものホウ素を含んでいます。つまり、カルボランアニオンを用いれば同じ量の薬剤でも、はるかに多くのホウ素をがん細胞に届けることができます。さらにカルボランアニオンは化学的安定にも優れ、体内の酵素や免疫システムによって分解されにくい性質も持っています。これにより、投与したホウ素を高効率でターゲット部位まで届けることが期待できます。残された課題は、がん細胞だけを狙い撃ちするための「目印」をカルボランアニオンに付与することでした。
本共同研究グループは、カルボランの炭素原子頂点に、銅元素の酸化還元特性を利用して、様々官能基を導入する手法の開発に成功しました。本成果は、BNCT薬剤を含む、カルボランアニオンを基盤とした機能性材料や医薬品創製に新たな手段を提供するものです。
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