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2020/05/26

衛生化学教室の田中悠貴 大学院生、嶋中雄太 助教(研究当時)、新井 洋由名誉教授、河野望 准教授らが、非アルコール性脂肪性肝疾患の発症機構を解明


衛生化学教室の田中悠貴 大学院生、嶋中雄太 助教(研究当時)、新井洋由 名誉教授、河野望 准教授らの研究グループは、非アルコール性脂肪性肝疾患のリスク遺伝子であるLPIAT1の機能低下が病態発症を引き起こすメカニズムを解明しました。本研究成果は、2020年4月6日付でGut誌に掲載されました。
 
発表論文
雑誌:Gut
題目:LPIAT1/MBOAT7 depletion increases triglyceride synthesis fueled by high phosphatidylinositol turnover
著者:Yuki Tanaka, Yuta Shimanaka, Andrea Caddeo, Takuya Kubo, Yanli Mao, Tetsuya Kubota, Naoto Kubota, Toshimasa Yamauchi, Rosellina Margherita Mancina, Guido Baselli, Panu K. Luukkonen, Jussi Pihlajamäki, Hannele Yki-Järvinen, Luca Valenti, Hiroyuki Arai, Stefano Romeo and Nozomu Kono
DOI番号: doi: 10.1136/gutjnl-2020-320646
論文へのリンク: https://advances.sciencemag.org/content/6/11/eaay0888
 
発表概要
 近年、飲酒の習慣がないにも関わらず肝臓に中性脂質が蓄積する非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-Alcoholic Fatty Liver Disease, NAFLD) の患者が急増しています。NAFLDは肝細胞に中性脂質が蓄積した単純な脂肪肝であるケースがほとんどですが、一部は重症化し、非アルコール性脂肪性肝炎を経て肝硬変や肝がんへと進行します。そのため脂肪肝の重症化を抑制することが大きな課題となっていますが、脂肪肝の発症機構や重症化のメカニズムの全貌は未だに解明されておらず、治療法も確立されていません。
今回、研究グループは、生体膜リン脂質の生合成酵素の一種であるlysophosphatidylinositol acyltransferase 1 (LPIAT1)  の発現低下が脂肪肝の発症と増悪を引き起こすことを明らかにし、LPIAT1機能低下による脂肪肝発症の分子メカニズムを解明することに成功しました。最近、LPIAT1の一塩基多型(SNP)が脂肪肝の発症と増悪に関わることが多数報告され、ヨーロッパ人肥満患者の実に6割がこのSNPを有するとも報告されています。本研究の成果はNAFLDという疾患の理解に貢献するとともに、未だ治療法の確立されていないNAFLDに対する治療戦略の考案につながることが期待されます。
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