メニュー

EN

トピックス

2021/11/29

薬品代謝化学教室の高木太尊 大学院生,上野匡 助教、浦野泰照 教授らの研究グループは、細胞骨格の一種であるアクチン繊維を高選択的に可視化・操作可能なプローブ分子の開発に成功


薬品代謝化学教室の高木太尊 大学院生,上野匡 助教、浦野泰照 教授らの研究グループは、細胞骨格の一種であるアクチン繊維を高選択的に可視化・操作可能なプローブ分子の開発に成功しました。本研究成果は、2021年11月19日付で、Science Advances 誌に掲載されました。
 
 
発表論文
雑誌:Science Advances
題目:Discovery of an F-actin-Binding Small Molecule Serving as a Fluorescent Probe and a Scaffold for Functional Probes
著者:Takeru Takagi, Tasuku Ueno, Keisuke Ikawa, Daisuke Asanuma, Yusuke Nomura, Shin-nosuke Uno, Toru Komatsu, Mako Kamiya, Kenjiro Hanaoka, Chika Okimura, Yoshiaki Iwadate, Kenzo Hirose, Tetsuo Nagano, Kaoru Sugimura, and Yasuteru Urano*(*責任著者)
DOI 番号:doi: 10.1126/sciadv.abg8585
論文へのリンク:https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abg8585
 
【発表概要】
アクチン繊維は網目状の構造物を形成する細胞骨格の一種で、細胞の形態を決定し、細胞質・細胞膜の流動と、細胞遊走や細胞分裂での収縮等の運動性など多様な生命現象に関与しています。アクチン繊維が細胞の環境に応じて動的に重合し多様な機能を発現することは、生体における複雑な情報伝達の基盤のひとつとなっていることから、その役割・原理を明らかにするために、生体内で形成される繊維をリアルタイムに観る・操作する技術の開発が望まれてきました。
共同研究グループでは蛍光プローブの開発を行う中で、アクチン繊維を高選択的に可視化可能な緑色蛍光プローブ HMRef を見いだしました。これまでアクチン繊維に高い親和性を有する化合物は、複雑な構造を有する天然物由来の化合物が報告されるのみでしたが、新たに見いだした分子は非常に単純な構造の蛍光分子でありながら、アクチン繊維への高い結合性を呈し、生細胞染色においても細胞種に依存しない染色像が得られることから、応用範囲が広いことも確かめられました。さらに研究グループでは、HMRef の構造を最適化することにより、光照射依存的にアクチン繊維の操作を可能とする機能性小分子 GLIFin の開発にも成功しました。今回開発した蛍光プローブや操作プローブは、アクチン繊維の関わる幅広い生命現象の解明に貢献すると期待されます。

2025/02/04
プレスリリース 生理化学教室の伊藤慶 特任研究員(研究当時)、畠星治 特任講師、北川大樹 教授らの研究グループが、中心小体の結合・分離のサイクルを解明new
2025/01/24
プレスリリース 有機合成化学教室の山梨祐輝 助教、高丸慎平 大学院生、川島 茂裕 准教授、金井 求 教授らの研究グループが、がん細胞の遺伝子転写を変化させる化学触媒の開発に成功
2025/01/09
プレスリリース 有機合成化学教室のRahul Jagtap特任研究員、西岡裕紀大学院生(研究当時)、Stephen Geddis研究員(研究当時)、入江優大学院生、三ツ沼治信助教、金井求教授が常温・可視光でアルカンから水素を取り出す触媒の開発に成功
2025/01/06
プレスリリース 蛋白構造生物学教室の由井萌恵子学部生(研究当時)、張志寛助教、大戸梅治准教授、および清水敏之教授らによる研究グループがI型アレルギーを誘導する高親和性受容体FcεRIの立体構造を解明
2024/12/11
プレスリリース 分子腫瘍薬学社会連携講座の北村俊雄 特任研究員、佐藤成 特任研究員らの研究グループが白血病関連遺伝子変異が動脈硬化を増悪させるメカニズムを解明
2024/12/10
プレスリリース 天然物化学教室の森貴裕准教授、阿部郁朗教授らの研究グループが、抗生物質の構造多様性構築に重要な生合成酵素の構造機能解明に成功
2024/12/05
プレスリリース 天然物合成化学教室の田口淳一大学院生、深谷慎太郎大学院生、藤野遥特任助教、井上将行教授が、4種のエステルが密集した天然物であるユーフォルビアロイドAの全合成を達成
2024/12/02
受賞 タンパク質分解創薬社会連携講座の内藤幹彦特任教授が2025年度日本薬学会学会賞を受賞
2024/12/02
受賞 有機合成化学教室の三ツ沼治信 助教が2025年度日本薬学会奨励賞を受賞
2024/12/02
受賞 天然物合成化学教室の萩原浩一助教が2025年度日本薬学会奨励賞を受賞
東京大学

東京大学 薬友会 薬学振興会
東京大学 医療イノベーションイニシアティブ
ワンストップ創薬共用ファシリティセンター 創薬機構
東大アラムナイ 東京大学基金

Copyright© 2018
東京大学大学院 薬学系研究科・薬学部
All Right Reserved.
Produced by coanet

ページの上部へ↑