国際交流
トピックス
2022/03/15薬品作用学教室の野口朝子 大学院生、池谷裕二教授らが記憶情報を担う多様な神経活動パターンの制御機構を解明
薬品作用学教室の野口朝子大学院生、池谷裕二教授らは生体マウス海馬において多細胞同時膜電位記録に成功し、多様な神経活動パターンの制御に直前の抑制性入力がかかわることを発見しました。本研究成果は2022年3月11日付でNature Communications誌に掲載されました。
発表論文
雑誌:Nature Communications(3月11日オンライン版)
題目:Inhibition allocates spikes during hippocampal ripples
著者:Noguchi, A., Huszár, R., Morikawa, S., Buzsáki, G., Ikegaya, Y.
論文へのリンク:https://www.nature.com/articles/s41467-022-28890-9
DOI:10.1038/s41467-022-28890-9
発表概要
脳を構成する多数の神経細胞は、適切な時空間パターンで活動することによりあらゆる情報を表現すると考えられています。このような活動パターンは発火シークエンスとして知られ、個々の神経細胞が適切なタイミングで発火することにより生じます。その多様性は脳が処理できる情報のバラエティにつながる重要な性質ですが、多様で柔軟な表現を可能にする機構は明らかではありません。今回、薬品作用学教室では、当研究室で独自に確立した実験系を駆使して成体マウス海馬からの多細胞同時膜電位記録に成功し、sharp-wave rippleと呼ばれる記憶固定化に重要な脳波にともなう発火シークエンスの発生過程を初めて発火閾値下膜電位レベルで捉えました。その結果、sharp-wave ripple発生直前に見られる一過性の抑制性入力が海馬神経細胞の発火タイミングを制御することを見出しました。そして、この抑制性入力の時空間的多様性が発火シークエンスの豊富なパターンの創出に寄与する可能性を提案しました。本研究成果は、2022年3月11日付けでNature Communications誌に掲載されました。
詳しくはこちら
発表論文
雑誌:Nature Communications(3月11日オンライン版)
題目:Inhibition allocates spikes during hippocampal ripples
著者:Noguchi, A., Huszár, R., Morikawa, S., Buzsáki, G., Ikegaya, Y.
論文へのリンク:https://www.nature.com/articles/s41467-022-28890-9
DOI:10.1038/s41467-022-28890-9
発表概要
脳を構成する多数の神経細胞は、適切な時空間パターンで活動することによりあらゆる情報を表現すると考えられています。このような活動パターンは発火シークエンスとして知られ、個々の神経細胞が適切なタイミングで発火することにより生じます。その多様性は脳が処理できる情報のバラエティにつながる重要な性質ですが、多様で柔軟な表現を可能にする機構は明らかではありません。今回、薬品作用学教室では、当研究室で独自に確立した実験系を駆使して成体マウス海馬からの多細胞同時膜電位記録に成功し、sharp-wave rippleと呼ばれる記憶固定化に重要な脳波にともなう発火シークエンスの発生過程を初めて発火閾値下膜電位レベルで捉えました。その結果、sharp-wave ripple発生直前に見られる一過性の抑制性入力が海馬神経細胞の発火タイミングを制御することを見出しました。そして、この抑制性入力の時空間的多様性が発火シークエンスの豊富なパターンの創出に寄与する可能性を提案しました。本研究成果は、2022年3月11日付けでNature Communications誌に掲載されました。
- 2023/12/05
- プレスリリース 遺伝学教室の三浦正幸教授、理化学研究所生命機能科学研究センター栄養応答研究チームの小坂元陽奈基礎科学特別研究員、小幡史明チームリーダーらの国際共同研究グループが若齢期のみのアミノ酸摂取制限により寿命延長する仕組みを解明
- 2023/12/01
- 受賞 分子薬物動態学教室の水野忠快 助教が2024年度日本薬学会奨励賞を受賞
- 2023/11/25
- 受賞 基礎有機化学教室の鳥海尚之 助教が2024年度日本薬学会奨励賞を受賞
- 2023/11/21
- プレスリリース 分子薬物動態学教室の田村隆太郎大学院生、佐分雄祐大学院生(研究当時)、林久允准教授、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社の安藤智広主席研究員らの研究チームが、必須栄養素コリンの吸収経路を発見
- 2023/11/21
- プレスリリース 天然物合成化学教室の渡辺崇央博士、大賀恭平大学院生、的場博亮博士、長友優典講師(研究当時)、井上将行教授が、抗がん剤であるタキソールの全合成を達成
- 2023/11/20
- 受賞 天然物化学教室の牛丸理一郎助教が2024年度日本薬学会奨励賞を受賞
- 2023/11/10
- 受賞 生命物理化学教室の幸福裕 助教が2023年度日本核磁気共鳴学会進歩賞を受賞
- 2023/11/06
- プレスリリース 細胞情報学教室の林裕輝 特任研究員、一條秀憲 教授らの研究グループが、異常な膜タンパク質の新たな分解制御因子を発見
- 2023/10/27
- プレスリリース 有機合成化学教室の藤村亜紀子 博士研究員、川島茂裕 准教授、金井求 教授らの研究グループが、ペプチドを低分子に機能変換するアダプター分子の開発に成功
- 2023/10/16
- プレスリリース 東京大学大学院薬学系研究科の桑山尚大大学院生/特別研究員(研究当時)、後藤由季子教授(兼:ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN) 主任研究者)らの研究グループが、同大学定量生命科学研究所の鯨井智也助教、胡桃坂仁志教授らとの共同研究により、これまで機能に不明な点が多かった因子HMGA2がクロマチンを直接凝集させる活性を持つことを明らかにしました