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2022/04/04

有機合成化学教室の布施拡 大学院生、入江優 学部生、三ツ沼治信 特任助教、金井求 教授らの研究グループが、生体内電子伝達をミミックした段階的電子移動触媒系を構築し、光触媒が不要な炭素―水素結合変換反応の開発に成功


有機合成化学教室の布施拡 大学院生、入江優 学部生、三ツ沼治信 特任助教、金井求 教授らは、生体内電子伝達をミミックした段階的電子移動触媒系を構築し、光触媒が不要な炭素―水素結合変換反応を開発しました。本研究成果は、2022年3月31日付けでJournal of the American Chemical Societyのオンライン速報版で公開されました。
 
雑誌:Journal of the American Chemical Society
題目:Identification of Self-Photosensitizing Hydrogen Atom Transfer Organocatalyst System
著者:Hiromu Fuse, Yu Irie, Masaaki Fuki, Yasuhiro Kobori, Kosaku Kato, Akira Yamakata, Masahiro Higashi, Harunobu Mitsunuma,* and Motomu Kanai*
DOI番号: 10.1021/jacs.2c01705
アブストラクトURL:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.2c01705
 
発表概要
 炭素―水素結合は有機分子を構成する基本的な結合であり、その直接的変換は高効率な分子合成につながります。このような変換は可視光のエネルギーを利用して可能となっていますが、既存法では、複雑な構造を有する光触媒や金属錯体触媒が必要でした。
一方で、リボヌクレオチド還元酵素に代表される電子伝達系を有するタンパク質では、チロシンやトリプトファンといった酸化還元活性のあるアミノ酸を介した多段階電子移動によって、水素原子引き抜き活性を持つ硫黄ラジカル種をシステインから発生させています。この生体メカニズムを参考に本研究グループは、酸化還元活性のある芳香環と硫黄原子の双方を併せ持つ有機触媒を開発しました。この有機触媒が水素結合とπ-π相互作用によって電子不足な含窒素複素環と複合体を形成し、ここに可視光を照射すると、これらの分子の芳香環の間で一段階目の電子移動が起きました。次に、電子を放出した有機触媒の芳香環に硫黄原子から二段階目の電子移動が起き、炭素―水素結合の切断活性を持つ硫黄ラジカルが発生しました。本触媒系を用いることで、従来では光触媒が必要であった四種類の分子変換を単純有機分子のみで実現しました。神戸大学 小堀康博 教授、豊田工業大学 山方啓 准教授、京都大学 東雅大 准教授らとの共同研究により、複雑な段階的電子移動を媒介する短寿命化学種の検出や推定にも成功しました。
本研究成果は、炭素―水素結合変換反応における新たな方法論を提示するだけでなく、新たな有機分子触媒システムの設計に貢献することが期待されます。

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