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2022/07/19

附属創薬機構の小島宏建特任教授と岡部隆義特任教授、長野哲雄名誉教授と東京慈恵会医科大学医学部の奥田賢一講師と金城雄樹主任教授らの研究グループが、黄色ブドウ球菌のバイオフィルム形成を阻害する化合物を発見


東京大学大学院薬学系研究科附属創薬機構の小島宏建特任教授と岡部隆義特任教授、長野哲雄名誉教授、および、東京慈恵会医科大学医学部の奥田賢一講師と金城雄樹主任教授らの研究グループは、黄色ブドウ球菌のバイオフィルム形成を阻害する化合物のスクリーニングを行い、新規バイオフィルム阻害剤JBD1を発見しました。また、JBD1の作用メカニズムを詳細に解析し、黄色ブドウ球菌の細胞呼吸を活性化することでバイオフィルム形成を阻害することを明らかにしました。加えて、JBD1には黄色ブドウ球菌に対する抗菌薬の効果を向上させる効果があることを見出しました。

本研究成果は2022年7月19日付で科学雑誌mBio(オンライン版)に掲載されました。

掲載雑誌:mBio論文題目:Small-molecule-induced activation of cellular respiration inhibits biofilm formation and triggers metabolic remodeling in Staphylococcus aureus
著者:Ken-ichi Okuda, Satomi Yamada-Ueno, Yutaka Yoshii, Tetsuo Nagano, Takayoshi Okabe, Hirotatsu Kojima, Yoshimitsu Mizunoe, Yuki Kinjo
DOI番号:10.1128/mbio.00845-22

発表概要
黄色ブドウ球菌はヒトの皮膚や鼻腔に常在する細菌ですが、ときに敗血症や創部感染などの重篤な感染症の原因菌となります。本菌は物質表面でバイオフィルムと呼ばれる集合体を形成することが知られており、カテーテル、ペースメーカー、人工関節等の医療用デバイス表面において本菌がバイオフィルムを形成することで引き起こされるバイオフィルム感染症が臨床で大きな問題となっています。バイオフィルムを形成した菌は高い薬剤抵抗性を示すため、抗菌薬による治療が困難になります。バイオフィルム感染症は患者へ多大な負担を与えるだけでなく、治療期間の延長や医療費の増加にもつながる問題であり、根本的な治療法・予防法の開発が急務です。
 今回、東京大学大学院薬学系研究科の小島宏建特任教授と岡部隆義特任教授、長野哲雄名誉教授、および、東京慈恵会医科大学医学部の奥田賢一講師と金城雄樹主任教授らのグループは、黄色ブドウ球菌のバイオフィルム形成を阻害する化合物のスクリーニングを行い、新規バイオフィルム阻害剤JBD1を発見しました。また、JBD1の作用メカニズムを詳細に解析し、黄色ブドウ球菌の細胞呼吸を活性化することでバイオフィルム形成を阻害することを明らかにしました。加えて、JBD1には黄色ブドウ球菌に対する抗菌薬の効果を向上させる効果があることを見出しました。
 本研究成果は、難治性のバイオフィルム感染症に対する新たな治療薬・予防薬の開発や、バイオフィルムが形成されにくい新規医療用素材の開発につながるものと期待されます。

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