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2022/08/05

新型コロナウイルスのウイルス形成に必須の膜タンパク質の構造を解明


 東京大学大学院薬学系研究科の張志寛 助教、大戸梅治 准教授、清水敏之 教授、京都大学大学院医学研究科の野村紀通 准教授、岩田想 教授、京都大学医生物学研究所の村本裕紀子 助教、野田岳志 教授、横浜市立大学大学院生命医科学研究科の浴本亨 助教、池口満徳 教授らの共同研究チームは、新型コロナウイルスのウイルス形成に必須の膜タンパク質の立体構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析により可視化しました。
 本研究成果は2022 年 8 月 5 日付でNature Communicationsに掲載されました。

雑誌名: Nature Communications
題目: Structure of SARS-CoV-2 membrane protein essential for virus assembly
著者: Zhikuan Zhang, Norimichi Nomura, Yukiko Muramoto, Toru Ekimoto, Tomoko Uemura, Kehong Liu, Moeko Yui, Nozomu Kono, Junken Aoki, Mitsunori Ikeguchi, Takeshi Noda, So Iwata, Umeharu Ohto†, Toshiyuki Shimizu† (†co-corresponding authors) DOI: 10.1038/s41467-022-32019-3
論文へのリンク: https://www.nature.com/articles/s41467-022-32019-3

 COVID-19を引き起こす新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) のウイルス粒子は、膜タンパク質であるスパイク (S)、メンブレン (M) およびエンベロープ (E)タンパク質を含む脂質二重膜からなる外殻構造、および粒子内部のヌクレオカプシド (N) タンパク質とそれに包まれたゲノムRNAによって構成されます。Mタンパク質はウイルス粒子で最も豊富に存在し、ウイルス粒子形成の足場として機能するウイルス形成に必須のタンパク質です。Mタンパク質の機能や構造に関する情報は不足しており、M タンパク質を標的としてウイルス粒子形成を直接阻害するような創薬展開は困難な状況でした。本研究チームは、SARS-CoV-2のMタンパク質の立体構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析を用いて世界で初めて解明しました。Mタンパク質は二量体を形成し、ロングフォームとショートフォームの二種類のコンフォメーションを形成して機能します。今回の結果から、Mタンパク質の二量体界面に薬物標的部位となりうるポケットが同定され、SARS-CoV-2のMタンパク質を標的としたウイルス粒子形成の阻害剤の開発につながることが期待されます。

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