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2023/09/14分子生物学教室 後藤由季子教授が2023年度「武田医学賞」を受賞
後藤由季子教授が「細胞運命を制御するシグナル伝達の解明」により2023年度「武田医学賞」を受賞しました。
本賞は、我が国の医学界で顕著な業績を挙げ、優れた貢献を果たした研究者に贈られます。
研究業績:
細胞の増殖は増殖因子によって厳密に制御されており、その制御が破綻し暴走するとがん化する。後藤由季子博士は、細胞の増殖因子が受容体に結合したのちに核内へと「増殖シグナル」を伝達する分子としてMAPキナーゼとその活性化因子の同定に貢献した。またストレスで活性化されるMAPキナーゼ類似因子(JNK)および原がん遺伝子産物AKTについて、細胞死・生存および細胞移動・浸潤を司るシグナル伝達におけるそれぞれの制御機構と機能を明らかにした。これらの研究は細胞内シグナル伝達のプロトタイプとして細胞運命制御機構の理解に貢献しただけでなく、その異常がいかにしてがん化に繋がるかを理解する上でも重要な貢献と言える。後藤博士はさらに、脳発生という組織形成のコンテクストにおける細胞の振る舞いを研究し、神経幹細胞が発生時間と場に依存して巧妙に運命制御されるメカニズムをいくつも解明した。また定説に反して、胎生期における成体神経幹細胞の起源細胞が脳発生に携わる神経幹細胞とは別系譜であることを示し、胎生期と成体期の組織幹細胞の異なる機能制御戦略を明らかにした。これらの研究は幹細胞を用いた再生医療や健康寿命を目指す上で重要な基盤的知見を提供したと言える。
詳細はこちら(武田科学振興財団)
本賞は、我が国の医学界で顕著な業績を挙げ、優れた貢献を果たした研究者に贈られます。
研究業績:
細胞の増殖は増殖因子によって厳密に制御されており、その制御が破綻し暴走するとがん化する。後藤由季子博士は、細胞の増殖因子が受容体に結合したのちに核内へと「増殖シグナル」を伝達する分子としてMAPキナーゼとその活性化因子の同定に貢献した。またストレスで活性化されるMAPキナーゼ類似因子(JNK)および原がん遺伝子産物AKTについて、細胞死・生存および細胞移動・浸潤を司るシグナル伝達におけるそれぞれの制御機構と機能を明らかにした。これらの研究は細胞内シグナル伝達のプロトタイプとして細胞運命制御機構の理解に貢献しただけでなく、その異常がいかにしてがん化に繋がるかを理解する上でも重要な貢献と言える。後藤博士はさらに、脳発生という組織形成のコンテクストにおける細胞の振る舞いを研究し、神経幹細胞が発生時間と場に依存して巧妙に運命制御されるメカニズムをいくつも解明した。また定説に反して、胎生期における成体神経幹細胞の起源細胞が脳発生に携わる神経幹細胞とは別系譜であることを示し、胎生期と成体期の組織幹細胞の異なる機能制御戦略を明らかにした。これらの研究は幹細胞を用いた再生医療や健康寿命を目指す上で重要な基盤的知見を提供したと言える。
詳細はこちら(武田科学振興財団)
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