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2024/06/21薬品作用学教室の吉本愛梨 大学院生、池谷裕二 教授らの研究グループが心拍数を意図的にコントロールする神経メカニズムを解明
東京大学大学院薬学系研究科の吉本愛梨大学院生、池谷裕二教授らの研究グループは、バイオフィードバック訓練を積むことで自分の心拍数を下げられるようになることを実証し、脳から心臓に司令が送られるしくみを解明しました。
本研究成果は日本時間2024年6月21日のScience誌(オンライン版)に掲載されます。
雑誌名:Science
題目:Top-Down Brain Circuits for Operant Bradycardia
著者:Airi Yoshimoto, Shota Morikawa, Eriko Kato-Ishikura, Haruki Takeuchi, Yuji Ikegaya* (*corresponding authors)
DOI: 10.1126/science.adl3353
論文へのリンク: https://www.science.org/doi/10.1126/science.adl3353
バイオフィードバック訓練とは、本来不随意性である生理機能を当人に認識させることで、随意的に制御できるように導く訓練です。同研究グループでは、ラットに心拍バイオフィードバックを施す新しい実験系を設計して検討を行ったところ、30分以内に心拍数を減少させることを学習し、5日後には約50%の心拍減少を達成しました。この低心拍状態は、そのまま少なくとも2週間は維持され、この間、ラットは不安行動が減少し、また血液循環機能の低下を代償するように赤血球が増えました。
バイオフィードバック訓練中は、視床腹内側核へ投射する前帯状皮質は約7Hzの神経振動を示しました。この神経活動が視床下部から迷走神経核へと送られることで心拍数が調節されることがわかりました。
プレスリリースはこちら
本研究成果は日本時間2024年6月21日のScience誌(オンライン版)に掲載されます。
雑誌名:Science
題目:Top-Down Brain Circuits for Operant Bradycardia
著者:Airi Yoshimoto, Shota Morikawa, Eriko Kato-Ishikura, Haruki Takeuchi, Yuji Ikegaya* (*corresponding authors)
DOI: 10.1126/science.adl3353
論文へのリンク: https://www.science.org/doi/10.1126/science.adl3353
バイオフィードバック訓練とは、本来不随意性である生理機能を当人に認識させることで、随意的に制御できるように導く訓練です。同研究グループでは、ラットに心拍バイオフィードバックを施す新しい実験系を設計して検討を行ったところ、30分以内に心拍数を減少させることを学習し、5日後には約50%の心拍減少を達成しました。この低心拍状態は、そのまま少なくとも2週間は維持され、この間、ラットは不安行動が減少し、また血液循環機能の低下を代償するように赤血球が増えました。
バイオフィードバック訓練中は、視床腹内側核へ投射する前帯状皮質は約7Hzの神経振動を示しました。この神経活動が視床下部から迷走神経核へと送られることで心拍数が調節されることがわかりました。
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