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2023/04/05

細胞情報学教室の森下和浩 大学院生、渡邊謙吾 特任助教(研究当時)、名黒功 准教授、一條秀憲 教授が、細胞内液滴の流動性維持機構を解明


 東京大学大学院薬学系研究科の森下和浩 大学院生、渡邊謙吾 特任助教(研究当時)、名黒功 准教授、一條秀憲 教授による研究グループは、高浸透圧ストレス後に起こる細胞内へのNa+流入が、液-液相分離により形成される液滴の流動性維持に寄与することを明らかにしました。本研究成果は2023年4月5日付で科学雑誌Cell Reports(オンライン版)に掲載されました。
 
掲載雑誌:Cell Reports
論文題目:Sodium ion influx regulates liquidity of biomolecular condensates in hyperosmotic stress response
著者:Kazuhiro Morishita, Kengo Watanabe, Isao Naguro, Hidenori Ichijo
DOI番号:10.1016/j.celrep.2023.112315
https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(23)00326-1
 
発表概要
 液-液相分離は近年生命科学分野で注目を集めている現象であり、細胞内液滴の形成により生体高分子の時空間的な局在・反応制御を可能にしています。液滴の持つ最も重要な性質の一つに「流動性」が挙げられ、液滴の流動性は分子の可動性や凝集化抑制に寄与することが提唱されてきました。液滴の流動性に影響を与える要素として、遺伝子変異や翻訳後修飾といった構成分子そのものの変化による原因は知見が蓄積しつつある一方で、細胞内における液滴の周辺環境の変化による流動性制御機構の解析は乏しいのが現状です。本研究では、細胞内で様々な液滴形成を惹起する高浸透圧ストレスを利用し、細胞外から細胞内へTRPM4を通じて流入するNa+が液滴の流動性維持や凝集化抑制に寄与することを複数のモデルタンパク質において明らかにしました。
 本研究成果により、細胞内における幅広い相分離現象の理解に繋がると共に、凝集関連疾患に対する発症予防戦略・新規治療戦略の開発に発展することが期待されます。
 
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