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2021/07/21

天然物化学教室の森貴裕助教と阿部郁朗教授らが、一回の反応で基質に3つの酸素原子を導入する世界初の新奇酸素添加酵素の立体構造基盤を解明


東京大学大学院薬学系研究科の森貴裕 助教、翟睿 大学院生、阿部郁朗 教授の研究グループは、一回の反応で基質に3つの酸素原子を一挙に導入してエンドペルオキシド構築と水酸化を同時に触媒する世界初の新奇非ヘム鉄酸素添加酵素について、酵素反応の立体構造基盤を明らかにしました。本研究成果は2021年7月20日付でNature Communications (オンライン版)に掲載されました。
 
原著論文: Molecular insights into the endoperoxide formation by Fe(II)/α-KG-dependent oxygenase NvfI (Nature Communications) doi:10.1038/s41467-021-24685-6
 
論文はこちら: https://doi.org/10.1038/s41467-021-24685-6
 
エンドペルオキシド構造は天然においても珍しい構造であり、本構造を持つ化合物群は顕著な生物活性を示すことから、重要な医薬品資源として注目されています。これまでに、エンドペルオキシド構造を形成する酵素としては2種類の酵素、ヘム鉄要求性プロスタグランジンH合成酵素(シクロオキシゲナーゼ、COX)と、Aspergillus fumigatus由来の非ヘム鉄a -ケトグルタル酸(a-KG)要求性ジオキシゲナーゼであるフミトレモルギンB 合成酵素FtmOx1が報告されていますが、これらはいずれも基質に2つの酸素原子を導入する酸素添加酵素でした。今回、研究グループは、糸状菌由来エンドペルオキシド含有天然物フミガトノイドAの生合成に関わる、一回の反応で基質に3つの酸素原子を一挙に導入してエンドペルオキシド構築と水酸化を同時に触媒する世界初の新奇非ヘム鉄a-KG要求性酸素添加酵素NvfIについて、酵素反応の立体構造基盤を世界に先駆けて解明しました。安定同位体を用いた酵素反応の精密機能解析やX線結晶構造解析、さらには立体構造をもとにした部位特異的変異導入により、本酵素はこれまでに報告されているエンドペルオキシド形成酵素とは大きく異なる反応機構でエンドペルオキシド構築と水酸化を同時に触媒することを明らかにしました。自然界には依然として多くの未開拓酵素が眠っており、有機化学の常識を打ち破るような酵素反応を発掘し、その触媒原理を解明し、さらに有用化合物生産へ応用することで、薬科学の発展に貢献します。
 

2023/10/27
プレスリリース 有機合成化学教室の藤村亜紀子 博士研究員、川島茂裕 准教授、金井求 教授らの研究グループが、ペプチドを低分子に機能変換するアダプター分子の開発に成功
2023/10/16
プレスリリース 東京大学大学院薬学系研究科の桑山尚大大学院生/特別研究員(研究当時)、後藤由季子教授(兼:ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN) 主任研究者)らの研究グループが、同大学定量生命科学研究所の鯨井智也助教、胡桃坂仁志教授らとの共同研究により、これまで機能に不明な点が多かった因子HMGA2がクロマチンを直接凝集させる活性を持つことを明らかにしました
2023/09/22
プレスリリース 有機合成化学教室の幅崎美涼 大学院生、水本真介 受託研究員、梶野英俊 博士研究員、川島茂裕 准教授、山次健三 助教、金井求 教授らの研究グループが、細胞内で酵素のようにヒストンを修飾する化学触媒の開発に成功
2023/09/14
受賞 分子生物学教室 後藤由季子教授が2023年度「武田医学賞」を受賞
2023/09/14
プレスリリース 蛋白構造生物学教室の張志寛 助教、大戸梅治 准教授、清水敏之 教授らの研究グループが、NLRP1インフラマソーム活性化の新たな抑制因子としてチオレドキシンを同定し、その複合体の構造を解明
2023/09/09
プレスリリース 東京大学大学院薬学研究科の長井広樹博士研究員、三浦正幸教授、中嶋悠一朗講師らの研究グループが、栄養環境に応答した脱分化現象を同定
2023/08/29
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2023/08/04
プレスリリース 蛋白質代謝学教室の入木朋洋大学院生(研究当時)、濱崎純講師、村田茂穂教授らによる研究グループが老化細胞におけるタンパク質分解センターを発見
2023/07/05
お知らせ 薬学系研究科の後藤由季⼦教授がEMBO Associate Memberに選出されました
2023/06/16
プレスリリース 遺伝学教室の中野翔太郎大学院生(研究当時)、樫尾宗志朗助教、三浦正幸教授らによる研究グループが、ショウジョウバエを用いて感染によらない自己成分を介して組織傷害を感知して自然免疫を活性化するメカニズムを解明
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