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2022/12/22

天然物合成化学教室の島川典博士、中村柊大学院生、浅井響大学院生、萩原浩一特任助教、井上将行教授が、C19ジテルペンアルカロイドであるプベルリンCの全合成を達成


 東京大学大学院薬学系研究科天然物合成化学教室の島川典博士、中村柊大学院生、浅井響大学院生、、萩原浩一特任助教、井上将行教授は、複雑かつ特異な縮環構造を有するC19ジテルペンアルカロイドであるプベルリンCの全合成を達成しました。本研究成果は、2022年12月20日付で、化学分野の総合学術雑誌である[Journal of the American Chemical Society]電子版に掲載されました。
 
掲載雑誌:Journal of the American Chemical Society
論文題目:Total Synthesis of Puberuline C
著者:Tsukasa Shimakawa, Shu Nakamura, Hibiki Asai, Koichi Hagiwara, and Masayuki Inoue*
DOI番号:10.1021/jacs.2c11259
論文へのリンク: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.2c11259

発表概要
 C19ジテルペンアルカロイドはキンポウゲ科やバラ科の植物より単離される天然物群です。その多くはイオンチャネルに作用し、様々な生物活性を有することが知られています。一方、本天然物群に属するプベルリンCの生物活性は、植物からの単離量がごくわずかであるため未解明です。プベルリンCの構造的特徴として、6/7/5/6/6/6員環が高度に縮環した含窒素6環性炭素骨格上に、3つの第4級炭素を含む12個の連続不斉中心および6個の酸素官能基を有することが挙げられます。このような複雑な三次元構造を有する炭素骨格上に、多数の酸素官能基が密集した天然物を有機合成化学的に組み上げていくことは極めて困難であり、プベルリンCの全合成例はありません。
 今回、本研究グループは、連続ラジカル環化反応および向山アルドール反応を用いる極めて効率的な含窒素6環性骨格構築法を確立することで、世界初となるプベルリンCの全合成を達成しました。
 本研究成果により、特異な含窒素6環性骨格を有するプベルリンCの全合成を初めて実現しました。今回確立した合成戦略は、複雑な三次元構造を有し、強力かつ重要な生物活性を有するC19ジテルペンアルカロイドの統一的な全合成へと応用可能です。このように、複雑な構造を有する天然物合成研究は、単離量が僅少な希少天然物の未知機能の解明および本天然物群の構造を土台とした生物機能制御物質の創出および新規医薬品開発研究を大きく促進し、薬学の発展に貢献すると考えられます。

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